公立諏訪東京理科大学 大学案内2023
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■在宅医療に特化した看護師の特定行為の拡大■タクシーによる医薬品配送(貨客混載運送)46建設現場で着用義務のあるヘルメットにセンサを配置し、発汗量を計測します。その発汗量をもとに作業者の熱中症の可能性を事前に予測し、警告を出すことで未然に防ぎます。カナルウォーター株式会社 代表取締役小須田 司 客員准教授(左)橋元 伸晃 教授(右)ノートパソコンの修理工場を営む地元企業から相談を受け、修理作業の支援の仕組みを開発しています。少子高齢化に伴う人材不足もあり、この工場では一人で約90機種の分解や修理を担っている状況です。作業には経験や熟練の技術が必要となり、新人の教育なども簡単ではありません。そこで、作業の映像から作業工程を自動的にモデル化する技術を開発しています。そこから、マニュアルとなる支援挙動を自動で生成し、スマートグラスなどを通して視覚的に提示します。このシステムで、経験の浅い作業者への支援や教育が可能となります。言語化が難しい熟練の技術や経験を可視化するAI技術が、人をサポートし、人の仕事を生み出します。機械電気工学科の橋元研究室で行われている、ウェアラブルセンサデバイスの研究成果から起業へとつながった、本学発のベンチャー企業「カナルウォーター株式会社」。ここでは、橋元研究室での研究に社会人ドクターとして参画し、現在同社の代表を務める小須田客員准教授に、起業に至るまでの経緯を聞きました。電動航空機の分野が、新しい産業・マーケットとして世界的に注目されています。現在研究室では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにおいて、長野県の企業である多摩川精機(株)と共同で「航空機向け高出力・高密度モータの技術開発」を行っています。これは、航空機の推進システムとしてのモータ開発で、小さく軽量で高出力、そしてエネルギーの損失も少ないモータの開発・実用化を目指しています。さらに、県内外の企業や機関と協力して、企画、要素技術調査、開発支援などを行う計画も立てています。将来的には、機体設計、製造、通信などの技術にも展開し、実際の航空機として形にしていきたいと思います。本学も茅野市と連携し、工学分野の研究などから、この取り組みの推進をサポートします。健康医療分野のタスクシフト健康医療情報の連携移動・物流サービス創業支援等その他の取り組み予防医療やAI活用公立諏訪東京理科大学発ベンチャー研究成果で、社会の困りごとを解決。人々が安全で健康に暮らせる社会を目指して。〈今後の推進予定事業〉まずは推進系のモータから。注目の分野、電動航空機の開発へ。雷 忠 教授ベンチャー企業だからこそ可能な市場開拓。課題解決のための研究から、事業化を実現。起業のきっかけとなったのは、2017年から橋元研究室で研究が行われていた「ヘルメット型発汗量計測デバイスに関する研究開発」です。私は2018年からこの研究に参画し、基礎開発の段階から携わってきました。この研究では、建設現場での熱中症による死傷者数増加の解決を目的に、センサで発汗量を計測し熱中症リスクを予測、警告を発生させるヘルメットを開発しました。もともと企業の困りごとからスタートした研究でニーズもあったものが、実際に実用化できるところまできて、「小さい規模でも事業化して人の役に立ちたい」と考え昨年起業に至りました。事業拠点は大学の施設を活用するなど、起業にあたって大学の支援も受けつつ、橋元研究室との連携を図りながら、さらなる事業拡大を目指しています。人材不足の課題解決を目指して。人を支援し担い手を育てるAI技術。橋本 幸二郎 講師茅野市が、デジタル田園健康特区に指定されました。全国で3つの自治体が指定を受けた「デジタル田園健康特区」では、国家戦略特区としてデジタル技術の活用により、地域における健康、医療に関する課題の解決に重点的に取り組みます。3市町が連携して先駆的事業を実施し、地域のデジタル化と規制改革を強力に推進します。

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