東京都立大学(現首都大学東京) 大学案内2020
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人間社会学科人文学科世界と他者を洞察する、自己に公正に振る舞う:哲学・西洋古典学が与える力岡本 賢吾 教授Point2専門分野に進むと、専門科目の授業は少人数制になります。興味のある授業を履修し、知識を深め、教員の丁寧な指導を受けることができます。少人数だから、ゼミなどで議論を深めることができます。専門科目は少人数制の授業Point3専門分野に進んだからといって、その分野の授業しか履修できないというわけではありません。むしろ広い視野で学ぶことが望ましいとしており、他の分野の授業やゼミにも参加することができます。多様な視点や考え方を学ぶ洋の東西を問わず、もちろん現代のわが国でも、民主主義の発展、学問・芸術・社会の繁栄の背景には、いつでも哲学・西洋古典学の深い教養を備えた人々の寄与がありました。今後もこうした教養は、私たちの社会のモラルと文化を洗練・成熟させる原動力であり続けるはずです。特に、私の専門とする現代論理哲学は、文系vs.理系といった退屈な壁を超え、数理諸科学、AI、環境・生命倫理など多様な分野で複雑な問題の解決に貢献しつつあります。哲学の学びを通じ、学生の皆さんには「クリティカルシンキング」を行う力を身につけてほしいと考えます。公正な批判を施しつつ、物事の本質に透徹しようとするこの知的態度は、人がどのような状況に置かれていても、予断や通念に惑わされず、的確な究明を行って適切な選択肢を突き止めること、ひいては、誰もが自由に、創造的に生きることをサポートしてくれる、真に望まれる力です。哲学・西洋古典学は、この能力を組織的・自覚的に訓練できる学問です。設置学科・コースTMU #EDUCATION01010202現代を透徹して生き抜くための〈知力〉通説に惑わされず適切な選択肢を見出す0102http://www.jinsha.tmu.ac.jp/gakubu/index.html041人文社会学部

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