東京都立大学(旧首都大学東京) 大学案内 2022
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 理学療法はもともと、障がいのある人が日常生活を送るための、身体機能の回復を支援するものでした。そこで用いられる筋力の増強や関節の可動域の拡大を図る技術は近年、高齢者や子どもなど幅広い世代に対するけがの予防に応用され、さらにアスリートのパフォーマンス向上にも効果が期待されています。 私が臨床経験を通して抱いた問題意識も、当初は障がい者に対して効率性の高いリハビリテーションを提供することにありました。臨床にいながら大学院に進んだのは、施術の効果を測定して正しく評価する研究が目的でした。ところが学生時代から車いすバスケットボールに関わっていたことや、東京2020パラリンピックの開催が決定したことで、今は研究の多くを、動作分析による障がい者アスリートのサポートに割いています。また、障がい者スポーツの観点で社会を見て、十分とはいえない環境の整備にも努めています。 9年間の臨床経験から、スポーツが認知機能やけが予防に一定の効果をもたらすことを実感しています。そのため東京2020大会が終了した後も継続する地域スポーツの普及に、理学療法士の立場で関わり続けたいと考えています。リハビリテーションにとどまらず応用が広がる理学療法の技術臨床経験で抱いた問題意識を障がい者スポーツを通して追究するCASE 7#障がい者スポーツ支援#理学療法地域社会と多様に関わる理学療法地域家族障がい者高齢者介護リハビリテーション健康増進日常生活でのけがの予防住宅改修や福祉用具へのアドバイス障がい者スポーツスポーツ障害予防特集1研究・プロジェクト紹介健康福祉学部 信太 奈美 准教授TMU #RESEARCH&ACTION#パラリンピック#地域スポーツ012Tokyo Metropolitan University GUIDE BOOK 2022

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