東京都立大学(旧首都大学東京) 大学案内 2022
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 組織の活性化や人事制度設計など組織・人に関するコンサルティングを職務としています。担当する企業は、小売業やサービス業、製造業など業種の異なる4社。いずれも日本を代表する大企業や地域の中核企業といえます。それらの企業の人事制度を改革する場合、当社内でチームを組み、およそ1年のプロジェクトを立ち上げます。まずは従業員の勤続年数や賃金などデータに基づく定量調査と、ヒアリングによる定性調査を実施し、両側面から企業の現状を分析します。分析結果から問題点を抽出し、解決すべき課題を設定して効果的な施策を提案して、実行するまでが基本的な仕事。その間、2週間に1度の頻度で経営者や人事担当者などとミーティングを重ね、問題意識を共有しつつ、企業が大切にしたいこと、変えていきたいことなどについて、相互に理解を深めることが重要な過程となります。現在担当する4社は、いずれも首都圏にありますが、かつて大分や沖縄の企業を担当していた時は、頻繁に出張もしていました。 業種や規模が似通っていても、組織を同じくする企業は二つとありません。ある企業で効果をもたらした改善手法が別の会社にそのまま適用できることはなく、企業分析に基づく唯一無二の提案が常に求められます。 企業分析の基礎は、学生時代に学びました。好きな数学を実務に活かせる学問として選んだのが、企業分析に欠かせない統計学や経営学、会計学でした。卒業論文で取り上げた知的資産経営は、今でも私のテーマです。数字として表れにくい人材や技術力、組織力やブランド力を資産と位置づけ、企業の競争力の向上に活かす経営を深く追究するため、2018年には、大学院に入学し、学部時代の恩師のもとで改めて学びました。 南大沢キャンパスでの4年間、休学してアメリカに留学した1年間、そして大学院でMBAの取得を目指した2年間は、全て自分を成長させるための学びでした。今後は社内や母校の後輩など後進の育成などを通して、吸収してきた知識や経験を人に伝えていきたいと考えています。在学中に参加した学生による情報発信サイト「トリコネ」に社会人として関わり続けているのも、そうした思いの表れかもしれません。株式会社 パーソル総合研究所/コンサルティング事業本部 シニアコンサルタント数学を実務に活かせる分野として経営学、会計学を専攻する。在学中は、米国の証券アナリストの団体が主催する企業分析の競技会に参加したほか、二つのサークルや海外ボランティア、1年間の米国留学を経験。卒業後は調査会社を経て現職。Prole中島 夏耶 さん都市教養学部 都市教養学科経営学系 経営学コース(現 経済経営学部 経済経営学科 経営学コース)2013年度卒業生学生時代からこれまで追究し続けた知的資産経営。自分を成長させてくれた全ての学びを後進にも伝えていきたい。知的自分Report03017特集1/卒業生インタビュー

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