東京都立大学(旧首都大学東京) 大学案内 2022
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多様で多彩な芸術や文化に幅広い観点からアプローチできる研究・教育の場です。イメージ論、視覚文化論、パフォーミング・アーツ研究、音楽文化論、伝統芸能研究、言語芸術論などに取り組む芸術表象研究と、文化的事象を制度・権力・身体・メディアといった視座から検討する文化表象研究が主要な研究領域です。表象文化論では20世紀半ば以後著しい発展を遂げた文化・芸術に関わる理論的探求の成果、すなわち現代思想、記号論、精神分析、ジェンダー論、カルチュラル・スタディーズ、批評理論、メディア論、図像学、映画理論などのもたらした方法論的成果を重視しています。こうした理論や方法論を踏まえた上で、美術、映画、音楽、演劇、文学、舞踊から、広告、デザイン、ファッション、マンガ、テレビドラマに至るまで、あらゆるジャンルの作品、作家、運動などを研究対象として扱っていきます。実利ばかりを求める価値観が、世界中のあちこちで衝突を生み出しています。こんな時代だからこそ、〝実学″を標榜しない〝虚学″である「文学」を通した文化研究の価値が高まっています。ここ数年来の日中の緊張関係は周知の通りです。その背景に、お互いの文化に対する認識不足があることは間違いありません。今こそ両者が見つめ合い、理解を深めるために、市民レベルでの交流を深める必要があります。当教室は悠久の歴史を持つ中国の文化に、言語、文学、思想、芸術などの側面から様々な方法でアプローチしていきます。日本語と、古代から現代に至る文学を通して日本文化の本質に迫ります。教員は、日本語学、古事記や万葉集、平安期の和歌や物語文学、江戸期の文学、近現代の文学の研究者で、授業では、現代日本語の統語論・意味論、古代の文字表現論、歌の系譜論、近世の小説史や文芸思潮、近代の小説と批評、表現文化など、多様なジャンルの研究成果を取り上げます。学生は、講義や少人数の演習を通じて、日本語分析の方法、文献資料の扱い方、文学作品の読解や批評の方法などを学びます。そして、自由闊達な議論の中から自分の研究テーマを見い出し、4年次には集大成としての卒業論文に臨みます。イギリスとアメリカの言語文化のほか、アフリカ・インドなどの英語圏の文化や文学も学びの対象です。これらの地域の歴史と言語文化に関する幅広い知識を講義科目で身に付け、演習科目ではその知識を活用しながら議論と思考を重ね、現代を創造的に生きるために必要な問題発見能力と解決する能力を涵養していきます。もちろん、英語の文献読解力、コミュニケーション能力、自己表現力といった言語運用能力を高めるための科目も多数配置。言語と文化を異化し相対化できる批判精神により、学生各自が現代を生きるための創造的ヴィジョンを構築することが教育目標です。カリキュラム表象文化論教室中国文化論教室日本文化論教室英語圏文化論教室ドイツ語は、ほとんどの学生が大学入学後に学びはじめる言語です。その新鮮な興味は、語学ばかりでなく、ドイツ語圏の文学や思想のほか、文化全般に広げて学ぶことでさらに広がるに違いありません。ドイツ語で書かれたもの、話されるもの全てが学びの対象。ドイツ語初心者として、興味のおもむくままに、自由に学べる環境を提供しています。また、ウィーン大学との交換留学制度があり、ネイティヴスピーカーによる会話の授業も豊富にそろえ、ドイツ語の運用能力を高めることにも力を注いでいます。授業の大半は少人数のゼミ形式で、各自の自主性を重んじながら、きめ細かい教育・指導を行っています。フランス語圏文化論教室では、フランスの長い歴史と伝統の中で、言語、文学、思想、芸術、文化などの様々な領域を学ぶことができます。本教室の学びの雰囲気はフランスの気質と同様に自由で闊達です。また同時に、授業では堅実なテクスト読解や分析の精神が受け継がれ、問題意識の独創性と論証手続きの厳密さが重視されます。レンヌ第2大学との交換留学制度など、長期・短期のフランス留学の機会が提供されており、フランス人留学生と日常的に交流する機会があります。資格取得として実用フランス語技能検定試験(仏検)の対策授業が設けられ、フランス人教員による実践的な授業(会話、作文)が充実していることも本教室の特徴です。ドイツ語圏文化論教室フランス語圏文化論教室http://www.jinsha.tmu.ac.jp/gakubu/humanities.html主要な哲学者の思想を学ぶことができます。具体的には、古代ギリシャのプラトンやアリストテレス、近世ヨーロッパのデカルト、スピノザ、マールブランシュ、ロック、ヒューム、カント、ヘーゲル、現代英米の分析哲学、特に言語哲学や論理哲学に関わりの深いフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインが例として挙げられます。これらの哲学者の思想を、存在や認識、倫理、論理、言語といった、各自の興味にそって深く学ぶことができます。また西洋古典学では、古代ギリシャ語とラテン語を習得し、韻文や散文の形で書かれた古典作品を読み解くことで、西洋文学や西洋文明全般の源泉を深く学ぶことができます。日本史・東洋史・西洋史・考古学の各領域を学ぶことができます。各領域の専門家である教員が、その研究成果を披露したり、あるいは歴史研究に欠かせないフィールドワークに学生を同行させたりなどして、一層の興味を誘う教育を展開しています。歴史学・考古学教室の目標は、4年間という限られた時間を有効に使うため、時代や地域の限られた問題にスポットをあてながらも、その追究を通じて人類史・世界史の立場から歴史を総合的に把握する力を養うこと。2年次の教室選択から4年次の卒業論文執筆まで、歴史学と考古学をめぐる時代と時間を超越した学びが、そんな力を養います。哲学(哲学・西洋古典学)教室歴史学・考古学教室教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください教員一覧はこちらからご覧ください047人文社会学部

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