東京都立大学 2023 人文社会学部・人文科学研究科
28/40

日本文化論/日本文学TOKYOMETROPOLTANUN I IIVERSTY027Prof. INOMATA, Tokiwa古代~中世あたりまでの歌や神話的言説をそれぞれの「時」と「場」の中でいかに捉えるかを研究課題としている。具体的には、東アジアの漢字文化との出会いによる「和歌」なるものの形成過程の解明、歌をうたい・よみ・書く行為がどのように宮廷文化(政治・思想・制度・世界観など)を構築していったか、古代宮廷文化の中で生成する神話的思考など。Prof. OHSUGI, Shigeo主に近現代の日本文学を研究している。文学を自明の前提として考えるのではなく、それがどのような制度性に支えられているかを、政治や文化状況との関連や、文学作品の言葉の内在的構造の中に見出すことに努めている。徳田秋声を中心とする自然主義文学の脱構築的読解、夏目漱石をめぐる神話的表象の批判的分析を進め、現在では文学言語の原理的探求、日本人をめぐる現代的表象の批判的分析などに研究対象を広げている。日本語学、古事記や万葉集、平安和歌や物語、江戸時代の文学、近代文学や現代文学を研究する専門スタッフが在籍し、現代日本語の統語論・意味論、古代の文字表現論、歌の系譜論、近世の小説史や文芸思潮、近代の小説と批評、思想文化などに関心を寄せています。学生は少人数のゼミ形式の授業でスタッフと議論しながら、日本語分析の方法、文献資料の扱い方、文学作品の読解や批評の方法などを学び、日本語学一般、古典から現代文学まで自由に自分の研究テーマを深めていくことができます。ことばに関心のある人、本を読むのが好きな人を歓迎します。Prof. OSHIMA, Motoo現代日本語を文法論的・意味論的見地から研究している。文の統語構造と、その背後 にある意味的構造の相互関係に関心を抱き、連体修飾節構造など、いわゆる複文構造 を中心に考察を行っている。同時に、個々の語の持つ語彙的情報が、統語構造にいか に顕現するかという問題にも取り組んでいる。今後は、表現論・文体論に近い領域に 関しても、文法論・意味論の側から接近する可能性を模索していきたいと考えている。Prof. KONDO, Mizuki近世の小説史と文芸思潮について研究している。特に文学史上、未検討の問題が山積する十八世紀の小説ジャンル(浮世草子、読本、談義本等)について、諸作品の基礎的な調査、整理を進めながら、十八世紀小説史観の更新を目指している。また、近世文芸に於ける怪異の表象、怪談文化に関心がある。読本や絵本といったカテゴリーの枠を越えた近世怪異小説研究、ひいては絵画や演劇などのメディアをも包摂する近世怪異文芸論を展望している。Associate Prof. TAKAKUWA, Emiko古代の日本文学および日本文化の研究。具体的には『古事記』『日本書紀』の神話・歴史叙述・古代歌謡、『万葉集』の和歌の読みを通して、古代人の思想や言語表現、文化、世界観などを探求している。主な考察対象は、上代の死と葬送に関わる文学、特に『万葉集』の挽歌。漢籍や中古以降の和歌も視野に入れ、当時の人々が死をどのように捉えていたか、挽歌とはどのような意味をもって詠まれた歌かを考察し、仏教が浸透する以前の古い日本の思想を探りたいと考えている。Assistant Prof. HATTORI, Keniya古代の日本文学を研究しており、『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』などのテキストを中心に分析している。「作品」に閉塞するのではなく、中世頃の文献も視野に入れつつ、人類学や神話学、考古学などの隣接分野の成果も参照しながら、これまでの古代文学研究の枠組みとは異なる視点からの研究を模索している。現在は武器、特に刀剣の記述に注目し、文化誌とは異なる、個別のテキストでの武器が担う役割や喚起するイメージからテキストをとらえなおすことに取り組んでいる。猪股 ときわ [教授]大杉 重男 [教授]書物の大海原に遊ぶ ̶日本神話からライトノベルまで○所属教員人文学科大島 資生 [教授]近藤 瑞木 [教授]高桑 枝実子 [准教授]服部 剣仁矢 [助教]文化関係論専攻日本文化論/日本文学

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る