東北大学広報誌 まなびの杜 No.78
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まなびの杜 78号|03 平成二十八年九月二十四日(土)、川内キャンパスマルチメディア教育研究棟のマルチメディアホールで「ナショジオ オープンキャンパス2016 in 東北大学〜ココリコ田中の動物これ知ってた?」を開催しました。本イベントは、ナショナル ジオグラフィック チャンネルとジェイコムイースト仙台キャベツ局が主催の教育推進イベントで、東北大学及び東北大学総合学術博物館の共催で開催されました。 イベントでは、芸能界随一の動物好きとして知られるココリコの田中直樹さんと、八木山動物公園副園長阿部敏計さん(本学農学研究科OB)が登壇し、来場した三〇〇名を超える小学生、保護者、本学学生は、熱心に見入っていました。 本イベントに引き続き、田中さんと本学生命科学研究科の田村宏冶教授との対談が行われました。鳥の祖先は恐竜?田村宏冶教授「今日はよろしくお願いします。早速ですが、こちらの本を差し上げます。」田中直樹氏「『恐竜と失われた動物たち』注 という本ですね。」田村「本の中の、ここを読んでみてください。」田中「(本の一文を読む)〝しかし、最近日本の研究者が鳥の翼の指も親指から中指の三本であることを発生学的に明らかにし、今や、鳥類の祖先が恐竜であることは間違いないとされる。〞ここですか?」田村「実はその〝日本の研究者〞というのが、私なんですよ。」田中「えっ!恐竜は鳥につながっていくと発表されたのは田村先生なんですか?」田村「そうなんですね。もちろん鳥が恐竜だと言い出したのは私ではなく、一五〇年前にトマス・ヘンリー・ハクスリーという博物学者と、チャールズ・ダーウィンが言い出したことなんですが、それから鳥が恐竜かどうかということは一五〇年間論争になっていたんです。その論争の最後の問題点を五年前に私たちが解決し、発表したんです。」田中「恐竜は今の生物たちよりも地球上に長く存在していたにもかかわらず、もう生きていないから、どうしても研究に時間がかかっていましたよね。私もここ五年の間に、鳥の祖先が恐竜だということがはっきりと言われているということを聞いていました。じゃあ、そのきっかけを作ったのは先生ということですか。」田村「そうですね。」田中「これってすごいことじゃないですか。今まで恐竜ってどういうポジションにいたんですか。」田村「あいまいで、鳥はワニにより近いんじゃないかという説と、恐竜に近いんじゃないかという説とがありました。今回の話で鳥が恐竜に近いとなると、恐竜の一部から鳥が現在に残ったという説がかなり確実になったということになります。」田中「どういう点がそれを確実にさせたんですか?」田村「今日はステージ上の画面にダチョウとウズラの、卵の中の赤ちゃんを映しています。見てわかる通り卵の大きさは違うのですが、中身はほとんど同じなんです。一つの細胞からここまでできて、それが大きくなって、鳥の赤ちゃんつまりヒヨコになっていくんですけど、それを発生過程と言います。その発生過程を見ていったというのが今日の話のポイントなんです。」田中「それが恐竜にもつながっていくということですか。」田村「はい、そうなんです。」特集ナショジオオープンキャンパス2016 in 東北大学~ココリコ田中の動物これ知ってた?~開催関連スペシャル対談田中 直樹氏ココリコ田中 直樹氏生命科学研究科田村 宏治教授
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