東北大学広報誌 まなびの杜 No.82
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Award-Winning栄誉の受賞08|まなびの杜 82号Line-up of Leading-edge Research未来科学技術共同研究センター・木村祥裕教授が日本建築学会賞を受賞第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰において医学系研究科・賀来満夫教授らが「文部科学大臣賞」を受賞安達文幸名誉教授と永廣昌之名誉教授を仙台市は市政功労者として表彰工学研究科卒業生・小川由希子さんがロレアル - ユネスコ女性科学賞 日本奨励賞を受賞2017年IEEEマイルストーン東北大学に献呈 虫明康人名誉教授のアンテナ研究を歴史的偉業として認定2017/06/1907/0607/1207/1307/20金属アレルギー発症に関わるニッケル結合タンパク質を発見―予防・治療へ期待―本学大学院歯学研究科口腔分子制御学分野の黒石智誠講師と菅原俊二教授らの研究グループは、ケモカインの1種であるCXCL4がニッケルアレルギーの発症に関わるニッケル結合タンパク質であることを発見しました。金属製品から溶出した金属イオンが起こす金属アレルギーの中でも、抗原性検査で陽性率の高いニッケルイオンが注目されています。本研究では、マウスの血清から新規ニッケル結合タンパク質としてCXCL4を精製。さらに、ニッケルアレルギーモデルマウスを用いて、CXCL4がアレルギーを増強することを明らかにしました。この研究から、ニッケルアレルギーの発症機構を解明することで、ニッケルだけでなく金属アレルギー全般の予防・治療法への応用が期待されます。この成果は英国アレルギー臨床免疫学会誌 Clinical & Experimental Allergy 電子版に掲載されました。012017/05/01新機構を備えた複腕建設ロボット ―新しい災害対応重作業ロボットの開発―内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジ研究開発課題「災害対応建設ロボットの開発」(責任者:大須賀公一大阪大学教授)のプログラム・マネージャーを担う本学大学院情報科学研究科・田所諭教授は、大阪大学、東京工業大学との共同研究によって、2重旋回・複腕機構を用いた災害対応重作業ロボット(建設ロボット)を開発しました。掘削モードや把持モードに形状変更ができて、多様な作業へ適応性が高く、災害に対応する重作業も可能です。現在、プロトタイプでフィールドでの実験を開始しており、また同時に開発を進めている主な要素技術をロボットに搭載して、より使いやすい建設ロボットの実現をめざしています。022017/06/19クジラ銀河には化石がいっぱい本学学際フロンティア研究所の田中幹人助教、本学理学研究科の千葉柾司教授と国立天文台の研究者らの研究グループは、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)を使い、地球から2283万光年の距離にある渦巻銀河NGC 4631(通称:クジラ銀河)とその周辺を広域観測しました。その結果、銀河の歴史を解明する情報源となる「銀河の化石」を13個(恒星ストリーム2個と矮小銀河11個)発見。これほど遠方にある銀河の化石を、ひとつひとつの恒星に分解して捉えた例は世界で初めてです。クジラ銀河は私たちの住む銀河系やアンドロメダ銀河より小さく、周りの銀河と激しく影響し合う銀河であることから、今回の発見は銀河の歴史の多様性を理解する上で重要な手がかりになると期待されます。本成果は、 The Astrophysical Journal 誌に掲載されました。052017/08/03不整脈に「衝撃」的な解決策 ―頻脈性不整脈の新規治療法開発に成功―本学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授らの研究グループは、頻拍性不整脈に対するアブレーション治療の分野において、衝撃波を用いた全く新しい治療法を開発し、動物実験でその有効性・安全性を報告しました。現在広く使用されている高周波を利用したアブレーション治療は、非常に有用ではあるものの、熱を利用することによって生じるいくつかの問題点が避けられません。しかし、本研究で開発した衝撃波アブレーション法は、衝撃波を用いていることで熱による問題点を克服できた画期的なシステムと言えます。さらに、この研究成果は今後の不整脈治療に大きな進歩をもたらすことが期待されます。本成果は、ヨーロッパ心臓学会の学会誌 EP Europace 電子版に掲載されました。062017/08/03

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