●建築・社会環境工学科学生・卒業生からの声● 滋賀県立大学 人間文化学部 地域文化学科 ●● ㈱松田平田設計 総合設計室 ●新たな分野を切り開く力を身につけていって欲しいと思います私が学んできたことを十分に生かせる場となっています もともとは「建物を設計する仕事をしたい」という思いから建築学科を選びましたが、入学後は伝統的な民家・集落に興味を持つようになっていました。その後、所属していた研究室の仕事で岩手県にある小さな町のまちづくりに参加したのですが、地元の方々とともに町並み保存活動をしていく中で、「その土地の伝統的な民家・集落の歴史や魅力を探ることは、そこに住む人々の暮らしの『これから』を考えることである」と考えるようになりました。その時点から、将来の仕事として研究者を意識するようになり、現在に至っています。 いまは、滋賀県内にある伝統的な民家・集落の調査や、文化遺産を活用したまちづくり、また、世界遺産であるシリア・パルミラ遺跡の発掘調査・復元工事に参加している日々を送っていますが、研究活動を支えているのは、やはり、あの学生時代の経験によって得たものだと感じています。 私は建築計画研究室出身で、PFIと学校計画を中心に研究を行いました。 現在、組織設計事務所にて建築設計をしており、入社後まもなくプロジェクトを任され、コンペにも積極的に取り組んでいます。 私が専攻した計画学には社会学等の他分野を含めた広範囲にわたる知識が要求されたため、現在、設計デザインを進めていくプロセスに必要となるストーリーの設定や建築の社会性などへのアプローチ設定において、学んできたことを十分に生かせる場となっています。 そして何より、大学で習得した大きな力はコミュニケーション力と理解力です。大学以外の様々な方々と関わりあいを持ち吸収し、はっきりとした問題意識をもち、その問題にどうやって立ち向かっていくかについて、自分自身がこれまでにない新しい解答を生み出していく力であると考えています。 これから大学に進学し建築を学ぶ方々にとっても、新しい知識の吸収に留まらず、新たな分野を切り開く力を身につけていって欲しいと思います。石 川 慎 治 1998年卒業生堀 田 梨 絵 2005年卒業生 土木工学という魅力ある学問私は現在、社会基盤デザインコースに所属しています。私がこの学科を選んだのは、地図に残る巨大なものを作りたい、そんな理由だった気がします。土木の魅力はそのスケールの大きさと、公共性の高さにあると思っています。事業に関わっている費用も莫大ですし、大勢の人が関わってきます。また、普段意識されることは少ないものの、皆が必ず土木という分野の恩恵を受けており、それにより生活が豊かになっています。東日本大震災がまだ記憶に新しいものと思いますが、そうした自然災害から人々の命を守るのも土木の大事な仕事です。大きな構造物を作りたい人はもちろん、社会に貢献したいと考えている人にこの学科を是非選んで欲しいです。市 川 智(社会基盤デザインコース)● 4年生 ● 土木の可能性私は現在、土木系水環境デザインコースに所属しています。皆さんは「土木」というものにどのようなイメージを持たれるでしょうか。日本中、世界中の様々な学問分野そして人々の暮らしの基礎に「土木」は常に関わっています。道路やトンネル、橋など交通を支えるインフラは土木工学によって成り立っています。皆さんが安心して飲める水を創り出す技術や、洪水や津波から人々の生活を守る技術も土木工学によるものです。さらには、交通渋滞、都市景観を考えるうえでも土木工学の知識は必要不可欠です。在学中には、これら生活の根幹を成す「土木」の基礎を幅広く学ぶことができます。また、現場見学や講演会など、社会と関わる機会もたくさんあるため、より広い視野を身につけることもできます。人々の生活をより良いものとしたい、何か大きな物を作りたい、世界に活躍の場を持ちたい、そう思ったときまず学ぶべきものは「土木」なのではないでしょうか。西 村 亜 紀(水環境デザインコース)● 4年生 ● 土木のおもしろさ私はまちづくりに関わることを勉強したいというぼんやりとした理由からこの学科を選びました。しかし入学後さまざまな講義を受けることで、まちづくりという言葉がとても曖昧かつ多義なものであること、まちへの関わり方は非常に多様であることを知り、自然や都市空間など、大規模かつ公共性の高いものを扱うことに土木の魅力を感じ、現在は土木系コースに所属しています。普段歩いている道路や橋、眺めている川や海、悩まされる車の渋滞など、一言で言えないほどたくさんの分野が集合している学問が土木です。このように日々の生活体験に、講義で学ぶ内容や研究が直接結びつくことが土木を学ぶことのおもしろさであると感じています。三年生時の学外研修ではシンガポールを訪れ、大規模な土木工事現場を見学させていただきました。見学を通じ、そのスケールの大きさや、多国籍の労働従事者とのコミュニケーションの苦労や、マネジメントの難しさについても知ることができ、また、普段大学で学んでいる事が確かに社会の役に立っていることを強く実感できました。土木はその幅が非常に広く、また社会に欠かす事のできない分野です。社会に貢献したいと考える人は、進路の選択肢に土木というものを考えてみてはいかがでしょうか。小野寺 雄 大(都市システム計画コース)● 4年生 ● 日本と海外の建築的思考が身につく私の所属するコースでは、現状の調査や分析から自ら問題点を見つけ出し、自分ならこうしたいというビジョンの元形にしていく設計課題、あるいは、研究室として教授や他学年の学生と共に行う、社会に提案されるプロジェクトへの取り組み等を通して、建築的思考を身につけることが出来ます。また、研究室には様々な国から来た留学生が所属しており、海外の建築学生の考え方や設計方法などを知る機会を持つことが出来ます。さらに、海外留学へ行くチャンスがあるのも魅力の1つです。私は建築学科の学生として、ベルギーに1年間の交換留学をしました。海外の建築を見たり、大学教育を身をもって体験することは、大変貴重な経験となりました。三 浦 麻 衣(都市・建築デザインコース)● 4年生 ● 建築学科に入って私は都市・建築学コースに所属しています。建築学科というと、建物のデザインや設計方法について勉強するところだと想像する方も多いと思いますが、実際はそれだけではありません。この学科では、建築を形作る基礎となる技術や理論についても、様々な方面から学びます。耐震構造の技術から防災・都市計画まで、その範囲は多岐に渡っており、授業や設計課題を通じて個人の興味や適性に応じた学びを深めることが出来ます。私はその中でも、人間にとって健康・快適な建築環境を省エネ・低炭素で実現する建築環境工学を専門としており、特に、建築空間内の人間の知的生産性を向上させるための空調制御技術について研究を行っています。来たる高齢化社会においても大きな意味を持つと考えられる、今後の展開が期待される分野です。実験や分析といった研究の過程は決して簡単なものではなく、時に様々な問題に悩まされます。しかし、その分結果が見出だせた時の達成感はとても大きなものとなります。建築は社会と密接に関わり合い、相互に影響を受けている存在です。私自身、建築学科に明確なイメージを持って入学したわけではありませんでしたが、この学科で学ぶことで社会の見え方が変化し、視野が大きく広がったと感じています。将来はぜひ社会に貢献したいと考えている方はもちろんのこと、今進路に迷っている方、建築学科を進路の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。古 川 麻衣子(都市・建築学コース )● 4年生 ● 地震研に入って 私は現在、都市・建築デザインコースに所属しています。日本の建築に魅力され、迷わず東北大学の建築・社会環境工学科を大学受験の第一志望にしました。この学科では、3年生まで一般教養や専門知識を含め、様々な知識や技術を講義や実験を通して教わります。 私が入学した2011年に東北地方太平洋沖地震が身近に発生したこともあり、近年世界各地に大地震が多発していることをみて、自分の力で少しでも防災・減災に貢献できたらと思い、インセンティブ防災学分野の研究室を希望しました。研究室配属されてから、卒業論文に向け、先生と先輩に教わりながら、建築の構造設計についてのみならず、地震関係の知識もいろいろ講義やゼミを通して身につけます。この四年間の勉学を通して、建築のチカラを活かし、建物の崩壊・破損による被害を最小限に抑える研究をしていきたいと思います。趙 珮 岑(建築デザインコース )● 4年生 ●
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