東北大学 工学部 建築・社会環境工学科 社会基盤デザインコース/水環境デザインコース/都市システム計画コース
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社社会会基基盤盤デデザザイインンココーーススInfrastructural Engineeringローマ時代のコンクリート(約2000年前)道路や橋,鉄道や空港は,人や物だけでなく情報をスムーズに伝達するための施設でもある。社会を支えるこのような「縁の下の力持ち」のことを,社会基盤構造(Infrastructure)と呼ぶ。この分野では,こうした施設や構造物が,安全に永く利用し続けられるための研究・開発を行っている。具体的な例をあげよう。橋を支える地盤の中の基礎や,地滑りがありそうな山にどんなトンネルを造るのかといった,地盤や岩盤の挙動の予測と利用法を考えている。広い谷を渡る橋をコンクリートで造った場合に,どのようなメンテナンスをすれば性能を維持できるかを念頭に置きながら,新しい材料を開発することもある。地震が起こったとき,大きな被害を受けずに済む構造や材料の設計法の研究もある。また,これまでに無い新しい材料で,人々を幸せにするような橋が造れないかといったことまで考えている。世界にたった一つの重要な構造物を造ることを助け,必要な知識や解決法を模索するのがこの分野だ。地震,津波,大雨や強風,塩害など,社会基盤構造物が外から受ける力の作用や化学作用は不確定なものばかりだ。技術者は,そのような作用をシミュレーション(想像)し,あらゆる可能性を探った上で,それらの作用に対処できるような構造物を設計(創造)しなければならない。技術者には,学んだ知識を利用して解決策を探ることはもちろん,新しい「知」を創ることが求められている。このコースのカリキュラムでは,材料(コンクリート・土・鋼など)の力学と,構造(アーチや吊橋など)の力学に加え,変形できる物体(連続体)の力学を基礎としている。それをコンピュータに組み込む方法を学び,結果を正しく判断して応用できるような科目が提供されている。また,実際の挙動を実感するために,実物のミニチュアで挙動や強さの特性を観察したり,わが国最大の重要作用である地震について振動の力学を学ぶ。いずれも,目の前で起こる現象の物理をモデル化して数学で記述した上で,コンピュータにシミュレーションをさせるか,より現実に近い実験で模擬的な挙動を観察するというプロセスを経て,問題に対処するための方法論を身に付ける。近年は作用の多様化によって,建設や設計の現場で解決しなければならない問題が複雑化している。そうした問題に対処するためには,大学院の修士課程くらいまでの知識が基礎として必要になってきている。人々が安心して社会生活を送ることができるように!想像力と創造力を併せ持つ技術者になるために分野紹介教育紹介コース紹介コース紹介

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