東北大学 理学部案内 2022
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自然法則を体系的に学び、未知の現象を明らかにする物理学とは、森羅万象を人間が理解出来る形にモデル化し、そのモデルを元に新しい現象を予測する学問です。自然界の様々な出来事の中から、その背後に潜む基本的な法則や原理を発見するための「実験」、それらの法則や原理に基づいて新しい現象を説明・予測する「理論」を両輪として、物理学はインフレーションに始まる宇宙の進化と構造や、世界を構成している基本要素である素粒子・原子核、そして物質の構造など様々な自然現象に関する多くの謎を解き明かしてきました。その過程では、クォーク、レプトン、ゲージボゾンやヒッグス粒子などの物質・宇宙の成り立ちに関わる素粒子の発見と共に、X線、核磁気共鳴(NMR)、レーザー、高温超伝導、カーボンナノチューブなど近代的生活に欠かせない様々な技術の礎が築かれました。深刻な環境問題やエネルギー問題を抱える現代において、これら諸問題の解決のためには、実験事実と論理的思考を基本とする物理学のアプローチがますます重要になっていくと期待できます。素・核理論/素粒子・原子核が織りなす極微の世界を理論的に考察し、自然界の最も基礎的な法則や宇宙の成り立ちを解明します。素・核実験/この世の全て物質は、何がどのように結びついて出来ているのか、という根源的疑問に粒子加速器や大型検出器を用いて迫ります。物性理論/多数の原子によって構成される様々な物体の多彩な性質を量子力学、統計力学などを駆使して理論的に説明します。物性実験Ⅰ/固体中に存在する大量の電子が絡み合う事で生じる超伝導、磁性、トポロジカル量子現象などを調べ、明らかにします。物性実験Ⅱ/半導体、ソフトマター、超伝導体などの高機能物質の性質をナノプローブやレーザーを用いて解明し、ナノ物質を操作します。10 物理学という、学問 講座・研究分野物理学専攻Physics物理学科

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