東北大学 理学部案内 2022
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自然現象を掌る分子の動きを解明し、新しい物質を創造する化学は、物質の性質やその変化を原子・分子のレベルで理解することを目的としており、生物学や地球・惑星科学といった自然科学のみならず工学や医学、農学など幅広い応用分野の基礎をなす非常に大切な学問です。化学の実験室で行われているのは、物質の創製や分離・分析手法の確立、物質の構造・物性(集合体としての性質)・機能・反応性の解明および新反応の発見と機構の解明を通じた真理の探究です。その中で発見あるいは新たに合成された物質は、これまでに約三千万種にもおよびます。さらに実験とともに、理論や計算による予測や裏付けの探究も盛んに行われています。化学の成果は、化学工業や製薬をはじめとしてさまざまな分野に応用され、快適な社会をつくるために貢献してきました。未来に向けて、環境と調和した快適な物質世界を築いていくために、化学の役割はますます大きくなっています。無機・分析化学講座/金属錯体、有機金属錯体、RNA誘導体を用いた合成と構造と物性と反応性に関する研究を行います。物理化学講座/レーザーなどの計測法やコンピューターを使って、新規物質の性質や化学反応を分子レベルで解き明かします。先端理化学講座/放射線が物質や環境へ与える影響、生物の営みや細胞の働きなどを原子・分子レベルから化学的に解明します。有機化学講座/有機化学は、本学の学問的源泉です。有機化合物の構造と機能、合成について幅広い研究が行われています。境界領域化学講座/分子触媒、機能材料など、多方面に展開する化学をカバーする研究を行います。14 化学という、学問 講座・研究分野Chemistry化学科化学専攻

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