東北大学 理学部案内 2022
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私たちの身の回りは化学で溢れています。例えば、食べ物のいい匂いや、病気を治す薬、あなたが今手にしているスマートフォンも全てある分子が形作っています。私はそんな分子を自在に組み上げることに面白さを感じ、これまで誰にも作られていない分子を作ることができる有機化学反応を研究しています。化学は、分子に関する「なぜ?」を探求する学問です。東北大学であなた自身の「なぜ?」を見つけ出し、解き明かしましょう!基幹科目(人間論、社会論、自然論)展開科目(人文科学、社会科学、総合科学、自然科学)共通科目(少人数教育科目、外国語、情報科学、保健体育)基礎科学序論机の上では、私たちは自由な分子を描くことができますが、未だに合成が難しい分子も存在します。私はそんな分子を自在に合成したいと思い、化学科に進学することを決めました。研究室では、新たな分子の合成を可能にする反応開発を行っています。試行錯誤の末に良い結果が得られたときは感動を覚えるとともに研究者としての成長を実感します。いつかは世界で活躍できるビッグな研究者になることが私の目標です!専門基礎化学生物化学概論情報理学入門物理化学概論物理化学演習無機分析化学概論無機分析化学演習有機化学概論有機化学演習生物化学化学一般実験科学英語RNAイメージング蛍光色素シアニン色素の構造を最適化することで、細胞中のRNA(核小体)を選択的に染色できる蛍光色素BIQを開発しました。BIQは、「生きた細胞に適用でき」、かつ「明瞭な発蛍光応答を示す」世界トップレベルの深赤色蛍光RNAイメージング色素です。近年、核小体は、ウイルス感染やオートファジー、細胞老化との関連が注目されており、BIQは核小体の機能研究に役立つことが期待できます。さらに、現在、BIQを応用することで、ウイルスRNA検出法や抗ウイルス薬のスクリーニング法の開発を進めています。リチウム空気電池の反応機構解明リチウム空気電池は、正極活物質に酸素、負極活物質にリチウム金属を使う二次電池です。理論上あらゆる二次電池の中で最高のエネルギー密度を持つため、既に普及しているリチウムイオン電池に代わる次世代の電池として注目されています。この電池の基礎研究として、表面増強ラマン散乱という分光法を用いて正極上の放電生成物である過酸化リチウム(Li2O2)の生成・分解過程を観測し、電極表面における反応機構を解明しました。この研究は、リチウム空気電池の実用化に向けた開発の指針になると期待されます。必修科目選択必修科目物理化学無機分析化学無機化学放射化学分析化学有機化学有機機器分析生物化学課題研究(卒業研究)情報理学選択科目科学史1234567815学年セメスター全学教育科目専門教育科目関連教育科目最初の1年半の期間は、理学部の他の学科と一緒に一般教養を身につけるための全学教育科目の授業を受けます。この間に、化学の基礎を身につけるための専門基礎化学や生物化学概論といった授業があります。2年生の後半からは物理化学、有機化学、無機化学、生物化学を本格的に学ぶとともに専門的な実験も行います。3年生の後半からは研究室に配属となり、個人個人の課題研究(卒業研究)を1年半かけて行います。基本的な化学の知識や実験技術の習得とともに、最先端の研究に触れながら大学院進学のための基礎知識や、就職先のさまざまな企業で活用できる化学的知識・研究手法の修得を目指していくことになります。立花 麻衣さん博士課程前期2年北海道旭川北高等学校出身平成28年入学1年阿相 昂斗さん博士課程後期2年山形県立山形南高等学校出身平成26年入学2年3年(図の解説)BIQによる生細胞(ヒト乳がん細胞)の蛍光イメージング:核(青色)の中で、赤く染まっている部分が核小体。Faculty of Science, Tohoku University4年 カリキュラム Message from 先輩 研究ピックアップ

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