東北大学 理学部案内 2022
17/36

学科配属活断層や河成地形などを研究しているため、室内作業だけでなく屋外でのフィールドワークを行います。野外調査は時には天候や環境に恵まれないこともありますが、思いがけない美しい自然に出会うことがしばしばあります。研究生活では、肌で自然を感じながら研究できることに楽しみを感じています。地球科学は物理学、化学、生物学そして数学をまたにかける学問なので、自然科学に関心があれば必ず興味のある分野が見つかると思います。基幹科目(人間論、社会論、自然論)展開科目(人文科学、社会科学、総合科学、自然科学)共通科目(少人数教育科目、外国語、情報科学、保健体育)地球の科学最初の生命が誕生してから時間の経過とともに生物は環境の変化とともに進化し、出現と絶滅を繰り返してきました。はるか昔の生命の記録である化石とそれが含まれている岩石のデータから当時の環境を推定することができます。私は現在、カンブリア紀から現生までいる放散虫の研究をしています。現在の生命がどういった環境に生息しているかを知ることで古生物の当時の生息環境を推定する一助となります。現在と過去をつなぐ地学という学問をあなたも一緒に学びませんか。自然科学総合実験地球環境史地球の物質とダイナミクス基礎地学実験地学実験情報理学入門基礎野外実習Ⅰ基礎野外実習Ⅱ野外実習Ⅰ地殻岩石学実習Ⅰ地殻岩石学実習Ⅱ同位体地球科学地圏環境科学:同位体地球科学に関する授業とその実習固体地球の進化:地殻ダイナミクスに関する授業とその実習科学英語演習セミナー基礎科学英語「海」は救いのヒーロー/ヒロインになれるのか?人間の行動を定量的にモデル化する−犯罪の時空間的集中−人類が引き起こした地球温暖化は、様々な形で私達の生活に影響を及ぼしています。地球の気候システムは、私達が大気中に大量放出した二酸化炭素を今後どのように処理し、地球上に分配するのでしょうか?この謎を解く重要な鍵を握っているのが「海」です。海は、地球表層の約70%を占める巨大な炭素の貯蔵庫です。実は、海は一様な存在ではなく、固有の水温や塩分をもった複数の水塊の集合体です。各海域の水塊にはそれぞれ熱や二酸化炭素などを運搬・蓄積・放出する機能があり、それらの特性や挙動は、海洋が本来もつフィードバック作用を理解するための重要な手がかりとなります。近年の分析技術の開発・向上は、堆積物や含有化石に記録されている過去の海洋循環や水塊の物理・化学的特性および構造の変化を定量的に捉えることを可能にしました。過去の気候変動下での海の挙動・役割を正確に知ることで、海の正体を明らかにすることができるのです。人は1日の中で、時間と移動する能力の制約を受けながら様々な活動を調整して選択的に遂行しています。買物であれば、店舗の開いている時間や位置から得られる活動機会に、自宅や職場からの距離、仕事やプライベートな活動との調整をふまえて、買物場所を選んでいます。犯罪という反社会行動も、同様にして活動の機会と行動の産物です。その内実を知り、効果的な対策を講じるための1つの手がかりは、犯罪発生の時間と空間にみられる系統的な関係性を調べることです。ここに示す図は1日の中での性犯罪発生の時空間的な集中を描き出した一例で、都心部の夜間に多いが新宿では早朝にまで及んでいることがわかります。こうした犯罪発生の時空間的分布に関する地理学的解析は、都市居住者の行動や都市環境と犯罪機会との関連性、重点的な対策を要する時空間の範囲、将来の犯罪発生の予見性といった諸点について分析的に議論することを可能にします。必修科目選択必修科目地圏環境科学科野外実習Ⅱ野外実習Ⅲ野外実習Ⅳ生命環境史:進化古生物学に関する授業とその実習人文・経済地理学に関する授業とその実習地図・地形学に関する授業とその実習気候学に関する授業とその実習地球惑星物質科学科情報理学選択科目セミナー課題研究科学史12345678Faculty of Science, Tohoku University17学年セメスター全学教育科目学科共通専門科目専門教育科目関連教育科目4年間の学部教育のうち、最初の1年半は全学共通で開設されている基幹科目・展開科目・共通科目を履修し、地圏環境科学の基礎となる広範な自然科学と人文社会科学の素養を身に付けることになります。その後、次第に地球科学系の専門科目が増加する仕組みです。地球科学系には地圏環境科学科と地球惑星物質科学科が設定されています。2年次の夏にこれらへの配属が決まり、各学科共通の授業を受講します。その後、3年次の夏に、地圏環境科学科では地圏進化学や環境地理学に関する各研究グループに所属して、専門科目を本格的に学び、卒業研究に取り組むことになります。地圏環境科学科においては自然観察能力を身に付けることが大切であるため、講義と有機的に結合した多くの室内・野外実習を開設しています。学部教育の総仕上げである卒業研究は必修であり、集団指導体制で専任教員が指導にあたります。蓮沼 亮人さん博士課程前期1年静岡県立韮山高等学校出身平成29年入学1年中村 朋暉さん博士課程前期1年宮城県仙台第三高等学校出身平成29年入学2年3年4年 カリキュラム Message from 先輩 研究ピックアップ

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る