東北大学 理学部案内 2022
20/36

生物に関するあらゆる疑問の答えを求めて39億5000年前に誕生した生命は、地球の変動に翻弄されながらもダイナミックなドラマを展開してきました。そして現在の地球上には1千万種以上の多様な生物がいるといわれています。分子、細胞、個体、集団、群集といった階層レベルで生起する生命現象は、複雑に連携しながら、地球生態系をつくりあげています。生物学は、生物が営むあらゆる活動に目を向け、その成り立ちを理解しようとする学問です。生物学の研究を支えているのは、生物に共通するしくみや個別の原理を解明し、生命現象の不思議と美しさの秘密に迫りたいという探究心です。生物学とは、生物に関する“なぜ”に対して、論理的な整合性に裏付けられた知識体系を導く学問なのです。その一方で、生物学は役に立つ学問でもあります。細胞や組織の働き、遺伝子の機能の理解が医療の発展をもたらしています。また、環境と生物の相互作用を理解することが、環境問題の解決につながります。生物学は、基礎科学としての応用科学としても私たちの生活に直結する科学なのです。組織形成分野/組織を形づくる細胞たちのふるまいと維持のしくみを理解する。植物発生分野/植物の形づくりのメカニズムを理解する。脳機能発達分野/脳が変わる機構を明らかにし、その制御を目指す。膜輸送機構解析分野/細胞内で起こる様々な小胞輸送の仕組みを分子レベルで理解する。細胞小器官疾患学分野/細胞小器官の未知なる機能を探る。発生ダイナミクス分野/受精卵から動物個体ができるまでを解き明かす。動物発生分野/脊椎動物の付属肢を題材とした動物の形づくりのメカニズムを読み解く。分子行動分野/他者を認知し、行動を選択する仕組みを解き明かす。脳神経システム分野/脳の機能的構造を理解する。神経行動分野/学習・記憶の脳神経基盤を解き明かす。進化生物分野/生物多様性の進化をゲノムと生態から探る。水圏生態分野/多様な生物群集の成立と維持機構を理解する。機能生態分野/生物のなぜ:HowとWhyを探る。海洋生物多様性分野/発生・進化・生態の観点から海洋生物の多様性を理解する。進化ゲノミクス分野/生物の進化をゲノム情報で紐解く。生物多様性保全分野/生態、進化研究から、保全を目指す。植物進化多様性分野/植物の多様性に多角的にアプローチする。統合生態分野/生態系を特徴付ける多様性・複雑性・適応進化を統合的に理解する。植物細胞動態分野/たった一つの細胞から植物の形が作られる仕組みを解き明かす。20 生物学という、学問 講座・研究分野Biology生物学科

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る