東北大学 医学部 2022
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医学を通して社会に貢献する人材を育てます医学部長八重樫伸生 Yaegashi, Nobuo Profile医学は生物学という大きな学問領域の中に分類されますが、特に“ヒト”という生物を主対象としている点が特徴です。そのため医学を学ぶ者には知識とともに高い生命倫理観が求められます。そして医学部は医学を学ぶ学部であると同時に、医師や保健・医療専門職を育成する機関でもあります。人生百年時代といわれる中で、ただ単に長生きするのではなく、心身ともに健康であり続ける時間、いわゆる“健康寿命”を少しでも延ばすことが大切になっています。それを実現するために社会の中心で働いているのが医学部で学んだ人たちです。少子高齢化社会の中で医学部卒業生が果たすべき社会的役割はますます広がり重要になっています。東北大学医学部は医学科と保健学科から成ります。医学科では臨床医のみならず医学領域の研究者や医療行政で働く人材も育成します。6年間の学生時代に海外留学する学生も多く国際的な視野を身につけます。卒業生の多くは卒業後十年以内に大学に戻り大学院に入学したり東北大学病院で勤務しながら先進的な医学・医療の研究を行っています。保健学科では看護師・放射線技師・臨床検査技師という保健・医療の領域で活躍する高度専門職人材を育成します。看護学専攻では看護ケアの本質を追求するような看護学の学習を深めます。放射線技術科学専攻では安全で正確かつ高精度な放射線の基礎知識と技術を学びます。検査技術科学専攻では病気の原因や治療法を判断するための先端医療技術の基礎と臨床を学びます。卒業生の約半数は卒業後も修士課程の大学院生として残り、学部4年間と大学院2年間を通して6年間で保健や医療の諸課題を探求しています。卒業生の中には世界的な業績をあげて活躍しているかたがたくさんいます。例えば免疫を担当する細胞が増殖し分化するメカニズムの解明からはじまった研究では、カギとなる遺伝子を発見しただけでなく、子供の重篤な免疫不全疾患の原因であることも突き止められました。さらにその遺伝子を改変したマウスでは免疫拒絶反応が起きずヒトの細胞がなんでも生着するので世界中の研究室で使われています。また医学系研究科が深く関わっている東北メディカル・メガバンクプロジェクトでは約30億個の塩基配列からなるヒトの遺伝情報について、日本人数千人分の解読を終了し日本人の標準的な遺伝子配列を公表しました。これが日本人向けの薬の開発や副作用の発現、病気の発症の個別化予防のためのゲノム医療の基盤となって使われることになります。実は最初に述べた “健康寿命”という用語を提案したのも東北大学医学部に在籍する教授です。このように東北大学医学部は医学を通して社会に貢献することを目指し、医学・医療・保健学の領域で世界をリードできる人材を育成します。1984年 東北大学医学部卒業1984年 八戸市民病院産婦人科勤務1990年 米国フレッドハッチンソン癌研究所博士研究員1992年 東北大学産婦人科助手1994年 古川市立(現大崎市民)病院産婦人科科長1996年 東北大学産婦人科講師2000年 東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野教授2015年 東北大学副学長・病院長2019年 東北大学大学院医学系研究科長・医学部長に就任、現在に至る01TOHOKU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE 2022

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