東北大学 医学部 2022
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2202DEMFOEN ICI LOOHCSYTISREVINUUKOHOT岩﨑 本学は研究第一主義を掲げ、医師になる教育とは別に、研究者を育成するための教育を1年生のうちから実施しています。私の所属する医学教育推進センターは、その活動も含めた医学教育における全般的活動に関わっており、6年後を見据えた横断的教育の企画・立案・実施などをしています。例えば、1年生で研究室に取材に行きその成果発表会を実施しています。そうした立場から高校生の皆さんに伝えたいのは、まず医学部に入るのが難しいので勉強を頑張ってくださいと(笑) それに加えて、例えばAIプログラミングも今は教材がたくさんあるので、体験して面白いと思えることを見つけてほしいということですね。やっぱり好きなものでないと研究は続かないと思いますので、興味を持っていろいろなものに触れてみてほしいです。植田 そうですね。プログラミングや勉強はあくまで道具ですので、やる気さえあれているので、一見関係なさそうな分野にも応用して良い結果を出す可能性が十分にあります。個人情報などの壁もありますが、その辺をうまく越えることができたら、さまざまな研究が同時に爆発的に進んで、いろいろなことが分かってくるんじゃないかと個人的には期待しているところです。ば身に付けられます。それよりも大事なのは何をやりたいかとか、例えば医療を駆使しながらデータサイエンスもできる人間になりたいとか、そういう5年後10年後のビジョンを持つことかなと思います。田宮 岩﨑先生がおっしゃったように勉強は大変だと思いますが、詰め込み型で、ものを覚えて出すことをやり過ぎると、大学に入って行き詰まってしまう可能性もあります。若い頃に寄り道して勉強と関係ないことをやっていたのが、後で自分の研究に大いに役立ったと、基礎科学の先生方がよくおっしゃっています。受験勉強だけに追われるのではなく、何か物事に向き合う機会をつくってもらえればと思います。わたってさまざまなことを学び直し、新たな方法を有効に使えるようになったりしながら患者さんを救っておられます。その中でも基礎研究や研究活動が必ず役に立つという話を聞きますので、大学にいる間に臨床とのバランスを取って、研究にも当たってくださればと思います。岩﨑 医学教育は時代とともに変わってきましたが、このウィズコロナ時代にまた大きく変わっています。その時代の最先端をしっかり捉えて、その流れに乗っていくことが重要だと思います。その上で学ぶ楽しさも知ってほしい。これは医学部の先生の受け売りですが、医学は分野が幅広くいろいろあって、その中で自分が興味を持てるものが絶対一つはあるはずだと。それを見つけて深く学んでいただきたいです。植田 新型コロナが既存の価値観を破壊し、人類にとって今、大きな変革の時期を迎えています。皆さんはその変革の中で世界を捉えていくということでもファーストジェネレーションです。今までの価値観が通用しなくなる一方で、新しい考え方ができる人はどんどん新しいことができる。そういう意味で今の高校生はうらやましいなとも思います。そこを楽しまないともったいないですので、かつてないほど変わっていく世の中に対して、新しい価値観で、どんどん発展していく技術科学を吸収して、やるべきこと、やったら楽しいことを見つけて没頭していただけるといいなと思います。04新型コロナで変革する時代の人材を育成する今後の医学教育田宮 日本のように衛生状態が非常に向上した国では感染症の学問が医学の中で主流ではなくなっていましたが、そういうはやり廃りに流されず、自分が大事だと思う、興味を持つ分野を積極的に学んで、症例を見る機会を逃さず勉強していると、今回のようなときに生きてきて、人を救う可能性も出てきます。医学部に入られてからも国家試験に向けた実習や勉強が山積みですが、その中でも自分が本当に重要だと思うものに時間を使って真剣に向き合ってほしいですね。臨床医になった先生方は長い時間に医学部を目指す学生に伝えたいこと

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