東北大学 歯学部 2022
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東 市川博之教授笹野泰之教授若森実教授高田雄京准教授「歯科生体材料の科学」授業紹介1、 2、 3年次のカリキュラム08( )Curriculum東北大学歯学部組織学授業 「人体の細胞と組織 」 では、 人体において、多種多様な細胞が秩序よく配列されて組織や臓器をつくり、さらに個体 を構成することを学びます。口腔組織発生学授業「口腔の細胞組織と発生」では顎、顔面および口腔と歯のでき方と構成について、より詳しく学習します。どちらの授業でも、講義に加えて、顕微鏡で組織標本を観察する実習の時間があり、実際に自分の目で細胞や組織の特徴を捉え、所見をまとめる力を養います。歯は、自然治癒や再生が難しいため、歯科治療の多くは人工の材料を使用してかむ機能を回復させます。歯科生体材料学分野では、最先端の材料科学を駆使して歯科修復材料からインプラント材料まで新しい歯科生体材料の開発やこれらの材料の口腔内環境下における劣化と安全性などを研究しています。大学教育では、歯科の治療に用いられている歯科材料全域についての講義や実験を担当しています。北大学歯学部の学生は、 1 、2年生で 、 広い視野と柔軟な思考力をもった歯科医師になるために、人間形成の根幹となる基本的教養を学習する「基幹科目」、専攻する専門分野を学ぶうえで基礎となる知識と技能を習得する「展開科目」、外国語および保健体育などの「共通科目」からなる全学教育を受講します。全学教育では、小人数クラスで、総合大学である東北大学の全学部と全研究所の教員が開講する「基礎ゼミ」が必修で、広い学問領域から自分の専攻を超えて授業を選択します。一方、入学直後から最初の専門教育科目として、最新の歯学の概要にふれる「歯学概論」と歯科診療の現場を体験する「歯科臨床入門」との2つの導入科目を受講します。2年生からはコア科目と呼ばれる歯科医師となるために必須の専門教育科目が始まります。学生は、まず、解剖学、組織学、生理学、生化学、細菌学、免疫学、薬理学、病理学といった一般医学と同等の内容を含む基礎系科目を学び、その上で、口腔解剖学、口2年次に人体、特に口腔領域の形について学びます。「人体の構造」では人体解剖の講義や実習により全身の仕組みや役割を、「歯のかたち」では実物の歯(抜去歯)の観察によりヒトの歯の形を理解します。これらの講義や実習によって、歯科医師として最も基礎的で必須の知識を身につけることができるとともに、人の生と死や医の倫理についても考えます。3年次「くすりの科学」では、歯科で頻繁に用いられる化学療法薬、抗炎症薬、解熱鎮痛薬、消毒薬のみならず、末梢神経系・中枢神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系に作用する薬物も含め 、 分子レベル、 細胞レベル 、 個体レベルでの作用と作用機序を学びます 。 この科目を理解するには、2年次から学ぶ専門基礎科目の知識が必要です。腔組織発生学、口腔生理学、口腔生化学、口腔細菌学、歯科薬理学、口腔病理学、歯科生体材料学などの歯科医学教育独自の基礎系科目を履修します。さらに3年生からは、歯科保存学、予防歯科学、小児歯科学、矯正歯科学など、臨床系科目も始まります。基礎系、臨床系とも、講義に加えて自ら体験して学習する実習の割合が高いことが歯学部のコア科目授業の特徴です。「人体の細胞と組織」 「口腔の細胞組織と発生」「人体の構造」「歯のかたち」「くすりの科学」

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