東北大学 薬学部・大学院薬学研究科 2022
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ごあいさつ薬学部概要カリキュラム創薬科学科薬学科講義内容分野(研究室)卒業・修了後大学院紹介入試情報・の進路など奨学金教育研究施設組織図オープンキャンパスキャンパスマップ 合成制御化学分野 Synthetic Chemistry 教 授 岩渕 好治Iwabuchi Yoshiharu 反応制御化学分野 Heterocyclic Chemistry 教 授 土井 隆行Doi Takayuki 分子変換化学分野 Molecular Transformation 教 授 根東 義則Kondo Yoshinori24東北大学 薬学部/東北大学 大学院薬学研究科 ■■■■TOHOKU UNIVERSITY偶然から必然へのチャレンジ かつて薬は偶然の発見によってもたらされ伝承された神秘に満ちたものでした。しかし、自らの手で有機化合物を造り出す手法、すなわち有機合成化学の誕生により、人類は医薬を創り出す術を獲得し発展させてきました。合成化学、特に有機合成化学こそは人間の持つ創造力を最高に発揮できる学問のーつといえるでしょう。未だ新薬の開発には相当の年月にわたる研究を必要としますが、有機合成化学のさらなる発展を機軸に、優れた新薬を効果的に開発できると期待されています。 私たちの研究室では生理活性物質の立体制御合成法、すなわち有様化合物の効率的な組み立て方を研究し、新薬の開発ならびに生命科学の発展に資する真に有効な合成方法論の開発に挑戦しています。中分子創薬 通常の低分子医薬品および抗体などの高分子医薬品に対して、われわれは中分子医薬品に注目しています。ペプチドが環状に連なった中分子化合物は多様性に富み、これまでにない薬の開発に向けて高いポテンシャルを持っています。われわれは、多様性に富む分子を簡便に合成する多様性思考型の合成反応を開発し、実際にその手法を用いて多様な化合物を合成し、それらの生物活性を評価して中分子創薬の種を見出すという開発研究を進めています。触媒反応研究と精密分子変換 分子を自在に変換する化学技術は、現代の科学技術のなかで極めて重要な役割を果たしています。なかでも有機分子は生命にとって関わりの深い重要な化合物群であり、医薬品や機能性分子などの開発おいても必要不可欠な素材です。その有機分子を自在に変換する技術を確立することは、医薬品の開発を含めたあらゆる自然科学分野の発展において重要な課題となっています。こうした背景を踏まえて分子変換化学分野では、有機分子を合成するための新規方法論の開発を行っています。具体的には、芳香族あるいは複素環芳香族化合物の炭素−水素結合修飾反応を中心に、有機分子触媒・遷移金属触媒の両面からより効率の良い、環境調和型の精密な触媒的変換反応の設計、開発、応用研究を進めています。

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