東北大学 薬学部・大学院薬学研究科 2022
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ごあいさつ薬学部概要カリキュラム創薬科学科薬学科講義内容大学院分野(研究室)卒業・修了後紹介入試情報・の進路など奨学金教育組織図研究施設オープンキャンパスキャンパスマップ分野(研究室)紹介 薬理学分野 Pharmacology 教 授 佐々木 拓哉Sasaki Takuya 臨床分析化学分野 Bio-Analytical Chemistry 教 授 大江 知行Oe Tomoyuki27神経回路の理解から創薬を目指す 記憶や情動などの脳機能は、非常に複雑かつ緻密な神経回路の情報伝達によって成り立っています。このような神経回路が正常に働かなくなると、認知症やうつ病などの精神疾患につながりますが、多くの治療薬の正確な標的は未だに明らかではありません。私たちは、このような神経回路の理解に基づき、疾患の根本原因や創薬標的を見出すことを目指しています。特に、様々な行動をしている動物から、多数の脳細胞活動の記録・操作し、大規模データから脳機能の基礎メカニズムを解析する研究技術を得意としています。また、脳と末梢神経の繋がりにも着目し、末梢臓器間の情報連絡を脳がどのように仲介し、精神機能に影響を及ぼすか研究しています。生命現象を理解する 生命現象を理解するためには、“分析”が必須です。最近の分析科学の進歩は著しく、純物質の場合、耳かき一杯程度(1mg)が競泳用プール(1000トン)に溶けているのに相当するpg(10-12g)/mLという超低濃度での分析も難しいことでは無くなってきています。しかし、生体試料はどうでしょう。例えば血液の場合、ここに9トンの食塩、80トンの蛋白質、更には様々な類縁体・代謝物が共存しています。この中で常に変化している僅かな物質の濃度変化を経時的に捉えることは容易では有りません。私たちは、この様な生体中の僅かな物質の更に僅かな構造変化が、診断・治療マーカーとしてのみならず、生理活性を変化させる可能性など、生命現象の理解に有用な情報源と考えています。その一つとして病気と直接関係する生理括性ペプチド・蛋白質上の化学修飾(酸化、糖化、脂質化など)を主なターゲットに研究しています。生命薬科学専攻

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