東北大学 薬学部・大学院薬学研究科 2022
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ごあいさつ薬学部概要カリキュラム創薬科学科薬学科講義内容大学院分野(研究室)卒業・修了後紹介入試情報・の進路など奨学金教育組織図研究施設オープンキャンパスキャンパスマップ分野(研究室)紹介 代謝制御薬学分野 Molecular Biology and Metabolism 教 授 斎藤 芳郎Saito Yoshiro 遺伝子制御薬学分野 Gene Regulation 教 授 稲田 利文Inada Toshifumi 生命機能解析学分野 Molecular Genetics 教 授 倉田 祥一朗Kurata Shoichiro29■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ff■■■■■■ ■■■■■■体の仕組みを理解し、薬を創る 私たちの体は、数多くの“元素”から作られています。その中には全体の1%にも満たない少ない元素、“微量元素”と呼ばれる元素が存在しています。微量元素は、その量は少ないですが、私たちの体を一定にする(恒常性維持)上で重要な役割を果たしています。微量元素は、反応性の高い酸素(活性酸素)や有害物質から私たちの体を守る働きを担っているため、その量が減ると防御効果が減少して、健康が損なわれます。一方、微量元素が増えすぎても、糖尿病やがん、脳の病気を悪化することが明らかとなってきました。私たちは、微量元素の作用を分子レベルで明らかにし、その理解に基づく新しい治療薬・予防法の開発を目指して、研究を行っています。遺伝子から病気を探る 生命活動が正常に営まれるには、遺伝子の情報が正確に維持され正しく発現される必要があります。しかし、様々な化合物や環境要因により遺伝子は絶えず損傷を受けており、変異を持った遺伝子から異常なタンパク質が合成される可能性があります。そこで生物は、遺伝子の損傷を修復するだけでなく、異常なmRNAやタンパク質を認識し排除する機能を持つ事で、恒常性を維持しています。当研究室では、これらの品質管理の分子機構を解明し、ナンセンス変異による遺伝病の治療薬開発や神経変性疾患の理解を目指して研究を行っています。生命機能を個体として探る 薬は、体全体に作用します。したがって、薬の効果を判定したり、新しい作用を持つ薬を開発するためには、個体の中で営まれる生命現象を、システムとして理解することが必要です。その理解の鍵となる重要な生命機能を支える原理は、進化の過程で保存され、多細胞生物で共通です。私たちは、分子遺伝学に優れたショウジョウバエなどのモデル生物を研究材料に、多細胞生物が示す生命機能を、主に自然免疫と発生・再生に着目し、解析しています。これにより、感染症の克服や、新しい医療技術の開発を目指します。

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