東北大学 大学案内 2022年度入学者用
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越村:東日本大震災を振り返ってみればわかりますが、広域的な災害は被害状況がすぐには把握できない。それが大きな課題であるという問題意識でわれわれは研究を重ねてきました。災害現場に行かなくても被災状況の予測と観測を行い、人の命を救い、その後も災害からの最短の回復に向けて支援することで社会に貢献していきたい。それがわれわれのミッションです。マス:私は人の動きのマルチエージェントシミュレーションの研究を行っています。多数の人の相互に関係しあう動きまでリアルタイムに予測します。越村:災害対応に予測情報を活用するためには、リアルタイムで進行する状況をシミュレーションしていかなければいけません。マス:どこに逃げる、高台に逃げるということも、従来のような漠然としたイメージではなく、何メートル以上の高台に逃げなければいけないとか、逃げ道の途中の状況なども把握することが必要です。それができれば格段に有効な避難対策ができるようになります。越村:東北大学は、学術の追求だけではなく、社会問題を解決するために社会と連携した新しい価値を共創しようというメッセージを発信している大学です。震災を経験してその考えをいっそう強めてきました。そうした大学のビジョンに共鳴する学生にぜひ入学してきてほしいと思っています。その上で自分の目指す学問を探究していくために、優れた環境・設備・研究者などの多様なリソースを使いこなしてほしい。対面だけではなくオンラインも活用できるということは、これらの広域災害の被災状況をリアルタイムに把握する先端研究東日本大震災を経験した東北大学は、多様な研究分野を融合し、地域や国際社会と連携した災害研究によって課題に向き合ってきた。いま災害現場に行かなくても短時間で正確な被災状況を把握しようという先端的な情報技術の研究が進められている。これから入学する学生にとっては自分の記憶で震災の教訓を考えていくには難しい年齢だ。だからこそ大学として研究成果を集積しつつ、震災の教訓を伝承して、次の世代に伝えていかなければならない。2人はそう考えている。リソースをいつでも主体的にフルに活用できるということです。マス:東北大学は海外でも著名な総合大学で、各分野一流の研究を究めています。災害科学に限らず、研究には学際的な視点や連携が欠かせません。自分の目の前の研究にとらわれず、自分の課題を社会の中で広く探していくことで、社会に貢献できるようになります。そういう視野を持ってほしいと思います。研究はチームワークが大切だ。ミッションを達成するために、お互いに持っている知見と技術を補完し合い、全体像を俯瞰しながら先進的技術を駆使して災害研究を追求していく。東北大学 災害科学国際研究所災害ジオインフォマティクス研究分野 教授博士(工学)越村 俊一Shunichi KOSHIMURA東北大学 災害科学国際研究所災害ジオインフォマティクス研究分野 准教授博士(工学)エリック・マスErick MASINTERVIEW2大学と教育の特徴13

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