東北大学 大学案内 2022年度入学者用
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12東北大学総長大野 英男東北大学工学部教授、電気通信研究所教授、省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター長、電気通信研究所所長、スピントロニクス学術連携研究教育センター長などを歴任。2018年4月第22代東北大学総長に就任。東北大学、建学の理念現代社会を先導するTohoku University 2022 東北大学は1907年に日本で3番目の帝国大学として創設され、以来「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」の3つの理念を掲げ、今に至るまで継承してきました。これらの理念の下で、本学は世界をリードする研究成果を上げるとともに多くの指導的人材を世界に輩出してきました。 研究第一とは、研究大学として世界に認められる卓越した研究成果を上げ、その優れた研究成果が教育に反映されるという、研究と教育を結びつける理念です。イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education (THE)」が発表するTHE世界大学ランキング日本版では、昨年度に引き続き2年連続で本学が1位を獲得しました。本学の卓越した研究成果に基づく教育実績・教育環境が、外部からも高い評価を受けていることを示しています。 門戸開放は、いまで言うダイバーシティです。創立間もない1913年8月21日、本学は日本の大学で初めて女子学生を受け入れました。当時の文部省からの圧力にも屈せず、女性3名の入学を許可したことで門戸開放が本学の不動の理念であることを世に示しました。これは日本の教育史上、誇るべき英断と言えるでしょう。この8月21日は、2020年度に「女子大生の日」として日本記念日協会に登録されました。 3つ目は実学尊重です。本学は建学の当初より民間や自治体などから多大な期待と支援を受け、社会とともに発展してきた「社会とともにある大学」です。この理念の下、これまでに社会や人々の日常生活を大きく変える世界最先端の研究成果を生み出してきました。例えば、21世紀はデータの世紀と言われますが、そのデータを格納しているハードディスクやフラッシュメモリは東北大学の教員や卒業生が発明した技術なのです。 2017年、本学は最高水準の教育研究活動を行うことができると認められ、世界の有力大学と伍していくことを使命とする「指定国立大学法人」の最初の3大学に選ばれました。本学では、世界と伍している大学でなければできない高いレベルの教育・研究が行われています。さらに2018年には、2030年に本学のあるべき姿とそこに至る道筋を明らかにした「東北大学ビジョン2030」を定め公開しました。その要諦は、3つの伝統的な理念を基盤として「教育」、「研究」、「社会との共創」の好循環を高い次元で実現することにより、不確実な現代社会を先導する大学になるというものです。2020年7月には、新型コロナウイルス感染症がもたらした世界的な変化を受けて、「東北大学ビジョン2030」をアップデートした「コネクテッドユニバーシティ戦略」を策定し、ポストコロナの時総長メッセージ大学と教育の特徴

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