東北大学 大学案内 2022年度入学者用
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大学と教育の特徴人類社会の課題に立ち向かう経験から得た社会との共創の想い共に新たな世界を創っていく挑戦3代を見据えたボーダレスで多様性に富み、真にインクルーシブな現代社会を先取りした大学の実現に向けて改革を加速しています。 2020年、世界は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに襲われました。この感染症は、我々の社会の本質的な課題を露呈させただけではなく、学術研究の分野においてもそのスタイルや方法に大きな影響を与えました。国内外の学術集会や研究活動のオンライン化が急速に進展し、社会の変革のスピードも大きく加速したと言えます。我々東北大学での教育、研究や日常生活にも大きな影響を与えています。本学では、教員と先輩による新入生への様々なサポート体制と、ICTを活用した新しい教育の仕組みをつくり、対面とオンラインを組み合わせたガイダンスや授業を行っています。また、コロナ禍で留学が制限されている中にあっても、アメリカとカナダの協力校で単位を取得できるオンライン共修授業、国際間教育を展開しています。 本学は、「社会とともにある大学」として、国内外の関係機関・関係者とも連携し、感染症の抑制と制圧に最大限の努力を続けています。ウィズコロナ、ポストコロナ時代と言われる中で、大学が社会に対して果たす役割はかつてないほど大きくなっています。我が国を代表する総合大学・研究大学である東北大学にとっても、これからの社会に向けて、より大きな役割を果たし人類社会に貢献することが期待されています。この時代の世界と人間の在りようを模索する研究や、これからのレジリエントな社会に向けた取り組み、新型コロナウイルス感染症のみならず未来型医療に資する研究開発にも挑戦しています。 2011年に発生した東日本大震災から10年を迎えましたが、本学は被災地域の中心にある総合大学として震災からの復興と新生に全学を挙げて取り組んできました。発災直後から本学は災害復興新生研究機構を設立し、災害科学国際研究所の創設を含む8大プロジェクトを推進すると共に、構成員の自発的な取り組みである復興アクション100+を展開してきました。これらの取り組みを通して、構成員ひとりひとりが社会との「共創」の重要性をより一層実感することになりました。「共創」は、様々な垣根や分野の違いを超え、対話や協力を通して、新しい価値を社会と共に創っていこうという想いが込められた言葉です。数々の復興新生への取り組みに加え、現代社会の諸問題を解決し人類が共存できる未来を創造していくことを目標に本学が2015年に立ち上げた「社会にインパクトある研究」も、全て「社会との共創」という想いが基盤になりました。 いま大きな変革期が訪れています。大学も例外ではなく、学生諸君との新しい交流や学びの姿が生まれつつあります。対面を重視しながらオンラインも効果的に組み合わせたベストミックスの授業、さらにラーニングアナリティクスによって真に個別最適化された学習の可能性も見えてきました。本学に入学した皆さんが充実した大学生活を送るための環境を整えることは、本学の重要な責任であり、東北大学を志望する皆さんとの何よりも大切な約束であると考えています。 東北大学は、世界最高水準の教育研究活動をさらに深化させ、どんな状況の中でも社会とともにある研究大学として、その役割を果たしていこうと構成員が一丸となって取り組んでいます。東北大学を志望する皆さんには、社会と自分との関わりを考え、それぞれの役割を果たしていくことに力を尽くし、また挑戦する気持ちを持って入ってきてほしいと思っています。挑戦する心とは、より高い水準で何かを成し遂げたいと思うことであり、自己の可能性を最大限に発揮するための原動力となります。東北大学は、皆さんの挑戦する心に応え、皆さんがこれから大きく飛躍していく舞台でありたいと願っています。

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