東北大学 理学部 学部案内 2023
15/36

化学科・化学専攻Faculty of Science, Tohoku University15阿相 昂斗 さん博士課程後期3年山形県立山形南高等学校出身平成26年入学岡野 琴羽 さん学部4年埼玉県本庄東高等学校出身平成31年入学私たちの身の回りは化学で溢れています。例えば、食べ物の匂いや病気を治す薬、あなたが今手にしているスマートフォンも全て分子が形作っています。私は分子を自在に組み上げることに面白さや疑問を感じ、そのツールとなる有機化学の研究をしています。東北大学であなた自身の「なぜ?」を見つけ出し、解き明かしましょう!無機・分析無機・分析化学講座化学講座  金属錯体、有機金属錯体、RNA誘導体を用いた合成と構造と物性と反応性に関する研究を行います。レーザーなどの計測法やコンピューターを使って、新規物質の性質や化学反応を分子レベルで解き明かします。物理化学講座物理化学講座先端理化学講座先端理化学講座放射線が物質や環境へ与える影響、生物の営みや細胞の働きなどを原子・分子レベルから化学的に解明します。有機化学は、本学の学問的源泉です。有機化合物の構造と機能、合成について幅広い研究が行われています。分子触媒、機能材料など、多方面に展開する化学をカバーする研究を行います。有機化学講座有機化学講座境界領域化学講座境界領域化学講座リチウム空気電池の反応機構解明リチウム空気電池の反応機構解明リチウム空気電池は理論上あらゆる二次電池の中で最高のエネルギー密度を持ち、次世代の電池として注目されています。本研究では、表面増強ラマン散乱という手法を用いて放電生成物である過酸化リチウムの生成・分解過程を観測し、電極表面における反応機構を解明しました。この研究は、リチウム空気電池の実用化に向けた開発指針になると期待されます。私たちが接している世界は分子から構成されており、私たち自身も例外ではありません。目に見えない分子を操ることができる化学の面白さを学びたいと思い、化学科に進学しました。現在は、私たちの生命現象に大きく関わるRNAや細胞外小胞を検出するプローブを化学的に合成し、それらの機構解明を目指しています。先輩からのメッセージ先輩からのメッセージ化学という学問化学という学問化学は、物質の性質や変化を原子・分子のレベルで理解することを目的としており、生物学や地球・惑星科学といった自然科学のみならず幅広い応用分野の基礎をなす非常に重要な学問です。化学の研究は、物質の創製や分離・分析手法の確立、物質の構造・物性(集合体としての性質)・機能・反応性の解明、そして新反応の発見と機構の解明を通じた真理の探究です。今後、環境と調和した物質世界を築いていくために、化学の果たす役割はますます大きくなっています。講座・研究分野講座・研究分野研究ピックアップ研究ピックアップ生細胞RNAイメージング蛍光色素を開発!生細胞RNAイメージング蛍光色素を開発!〜新しいシアニン蛍光色素〜〜新しいシアニン蛍光色素〜生命現象を分子レベルで解明することは今世紀の化学が担うべき魅力的な研究課題です。本研究では、細胞中のRNA(核小体)を選択的に染色できる蛍光色素BIQ(下図)を開発しました。BIQは、「生きた細胞に適用でき」、かつ「明瞭な発蛍光応答を示す」世界トップレベルの色素です。核小体は、ウイルス感染やオートファジー、細胞老化との関連が注目されており、BIQはその機能研究に役立つことが期待できます。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る