東北大学 理学部 学部案内 2023
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地球惑星物質科学科・地学専攻Faculty of Science, Tohoku University19池田 理 さん博士課程後期2年宮城県仙台第一高等学校出身平成27年入学住栄 侑 さん博士課程前期2年青森県立八戸高等学校出身平成29年入学手に取れる大きさの試料に物理や化学など様々な手法でアプローチし、地球から太陽系まで広い範囲の現象の解明を目指すのが地球惑星物質科学科の特徴です。物理と化学の両方に興味があった私は受験する学科に迷い、研究手法の選択肢が広い地球科学系を選びました。入学後に地球内部の環境を再現する高温高圧実験に出会い、現在は物性物理的な視点からマントルの水循環の解明に取り組んでいます。幅広い研究の中から、興味に合う研究手法に出会えることも大きな魅力です。鉱物の組織や結晶構造を調べて、鉱物や岩石の成因を調べています。生命の起源と地球・生命の初期進化について複合的な研究を進めています。小惑星や彗星の岩石を研究し、太陽系の初期進化を研究しています。超高圧高温実験から惑星内部構造進化を研究しています。地球内部のマグマや超臨界流体の活動を総合的に理解することを目指しています。岩石が語る大陸と海底の動き、火山が映し出す地球の躍動を捉える研究を行なっています。様々な地質・鉱物試料や環境試料、工学材料における結晶の生成・組織化メカニズムを調べています。資源・環境地球資源・環境地球化学グループ化学グループ初期太陽系初期太陽系進化学グループ進化学グループ量子ビーム地球量子ビーム地球科学グループ科学グループ火山学・地質火山学・地質流体研究グループ流体研究グループ地殻化学グループ地殻化学グループグローバル結晶グローバル結晶科学グループ科学グループ私の所属する研究室では、生命の起源・進化の過程を解明するため、野外調査から室内での実験まで、様々な面からアプローチしています。私自身は生物を構成する有機分子の合成実験を行い、生命のもととなる物質が初期地球においてどのように形成したかについて研究しています。数ミリグラムのサンプルから生命起源の謎に迫ることにロマンを感じつつ、先生方や先輩方のサポートに助けられながら、日々研究を行っています。先輩からのメッセージ先輩からのメッセージ地球惑星物質科学という学問地球惑星物質科学という学問21世紀の地球・惑星科学では、46億年前にガス星雲である原始太陽系から地球などの惑星が急速に形成され、40億年前には地球表面が徐々に冷えてプレートテクトニクスが始まり、30億年前に有機物から最初の生命への進化が生じたことなどが明らかになってきました。しかし、原始太陽系からの惑星の誕生、地球の形成や初期進化、生命の誕生と地球・生命の相互作用、地球中心核の構造と物性などは未知な部分が多く、物理学・化学・生物学などとの融合科学として発展しています。そのため、ナノサイズからマクロサイズの連続的な階層での研究が進んでいます。講座・研究分野講座・研究分野鉱物学グループ鉱物学グループ研究ピックアップ研究ピックアップ自然の謎に近づくために自然の謎に近づくために「この地球に生命がどのように誕生したのか」という問題に対して、明確な回答がありません。地球惑星物質科学科では、この問題に正面から向き合っています。実験室で太古の地球で起こった現象を再現し、アミノ酸などの生命の材料を作る事に成功してきています。それによって材料のでき方が分かってきています。世界最古の地層の調査から、最古の生命の痕跡を探す事にも成功してきています。それにより材料が組み立って生物が完成した時期が分かります。こうした実験や野外調査の成果は、バラバラのパズル状態ですが、うまく組み合わせていくと生命起源の謎が解ける日が来ると期待されます。[写真右:衝突実験に使用した一段式火薬銃(物質・材料研究機構)]

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