東北大学 理学部 学部案内 2023
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数学科・数学専攻Faculty of Science, Tohoku University9足立 賢都 さん博士課程前期1年森村学園高等部出身平成30年入学 ミハラケ セルバン マテイさん博士課程後期2年福井県立武生高等学校出身平成28年入学 数学を学ぶ上で大事なことは考え抜くことです。例えば一冊の本を最初から最後まで丁寧に熟読したり、一つの問題に何日も取り組んだりします。数学科は静かな場所にあり図書も充実しています。そして共に学ぶ仲間、頼れる先輩と教員が沢山いて非常に環境が良いです。自分から積極的に学問を学び大学生活を充実させましょう!代数学講座代数学講座多項式で表される図形を扱う代数幾何学、整数の深い性質を追究する整数論、数理物理などに現れる対称性を研究する表現論など。目に見える曲線や曲面だけでなく、3次元や4次元以上の空間を研究する分野である。微分幾何学、位相幾何学など。主として微分方程式の研究を行い、現象を解析する。数学固有の関心のほか、流体力学、数理生物学、金融工学に応用がある。多様体という幾何的な空間の研究をおこなう。多様体の曲率の研究、距離空間の幾何、幾何群論、離散的幾何学など。数学の公理系の研究などをおこなう数学基礎論、概念を階層的に扱う計算機理論など。数学を科学や工学のさまざまな分野へ応用する。応用数学や数理物理学など。  幾何学講座幾何学講座  解析学講座解析学講座多様体論講座多様体論講座  応用数理講座応用数理講座相関数理解析講座相関数理解析講座高校生の時に「柔らかい幾何学」についての動画を見たことがきっかけで数学科に進学しました。大学で学ぶ数学は高校数学の延長線上にあるものから、今まで見たことのないようなものまでさまざまな分野があり、それらが有機的に絡み合って発展しています。皆さんも数学科に進学してこの壮大な景色を一緒に見てみませんか?セール予想の解決に向けて̶先輩からのメッセージ先輩からのメッセージ数学という学問数学という学問さまざまな数の間に成り立つ不思議な関係や、図形や関数の美しい性質などはいつの時代にも人々の関心を引き付けずにはおきません。例えば、凸多面体では(面の数)−(辺の数)+(頂点の数)=2という関係が常に成り立つというオイラーの定理があります。このような不思議な美しい関係をより深く研究するのが、数学という学問です。数学と物理学、化学、生物学、情報科学、工学、社会科学など諸分野との繋がりは深く、今後益々強まっていくでしょう。講座・研究分野講座・研究分野研究ピックアップ研究ピックアップガロア表現の保形性問題ガロア表現の保形性問題̶セール予想の解決に向けて数学は数式の神秘さを問う学問というだけではなく、様々な起源を持つ数学的対象が思いもよらない形で結びつくことで豊かな土壌を生み出す学問とも言えます。「ガロア表現の保形性」とは、保型形式と呼ばれる極めて対称性の高い解析学的対象と、有理数体の絶対ガロア群の表現という代数学的な対象の間に成立すると予想されている対応をさします。例えば 1995 年ごろにワイルズによって証明されたフェルマーの最終定理という、300 年間未解決だった予想は、このガロア表現の保形性問題の特別な場合の帰結になります。このように数学では、二つ以上の分野が関連する問題がしばしば重要となります。その解決には関連分野の高度な発展も要求されるため、必然的に解決の困難な問題になります。セール予想という予想も同様に、ある種のガロア表現の保形性を問う問題で、解決には幾つもの課題を克服しなければなりません。本専攻の山内卓也准教授によるここ数年の研究においてセール予想に関連する「重さ還元定理」が、ある重要な場合に証明され、その場合のセール予想の解決に向けて大きく寄与することが期待されています。

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