31 対象とする地球の中でも、岩圏から人間圏、気圏といった、私たちにとってより身近な領 域について、地圏環境科学科では学ぶことが出来ます。その中でも、私は盛土や切土などの人工改変された地形に着目し、とりわけ宅地利用を目的に造成された地形改変地で発生する地すべり的な変動を、衛星データから検出する研究を行っています。私たちの生活や生命に密接に関わるテーマだからこそ、その研究意義を深く感じながら、日々研究に励んでいます。また、研究を進めていく中で、興味深い事象を発見するたびにとても嬉しく感 皆さんは地球科学と聞くと、どんなことを想像するでしょうか? 地震・火山・化石・岩石・地層・隕石・・・これらは全て地球科学系で学ぶことができます。私は、「生きた化石」の1つである腕足動物という生物を用いて、過去約5億年間の海洋環境変動を解明するための新たな手法をつくる研究を行っています。腕足動物は、水温、塩分、pHなどの海洋環境の情報を炭酸カルシウムの殻に記録しながら成長します。腕足動物化石の化学組成から過去の海洋環境情報を読み取る方法を開発することで、大昔 地球惑星物質科学科では岩石学を通して地球、宇宙のなぜについての不思議を日々探究しています。岩石には地球・宇宙の歴史が刻まれています。学部時代には、実際に岩石を野外で、見て触ったりしながら非常に刺激的に地学基礎の学問を学びました。また、希望をすれば海外の大学に交換留学をすることができます。私自身、米国で現地の優秀な学生たちと切磋琢磨しながら座学や実験を行うなどして地学への好奇心を深めることができました。 その地球惑星物質科学科の中で、私は隕石 皆さんは地球科学にどのような印象を抱きますか。私が高校時代に地学に触れた時は、(当時数学・物理に傾倒していたのもあってか)正直掴みどころが無く分かりづらい分野だなあ、と思っていました。しかしそれが逆に契機となり、「地学の面白さを理解したい」という思いで、地球科学系への進学を決断しました。 入学後の実習や研究活動、そして個性豊かな同期・研究室のメンバー・先生方との交流は、私の中での「サイエンス」を大きく更新しました。多様な岩石組織を読み解き、吟味じます。 私が所属する地理学教室は、学生一人一人の興味に沿った研究を行える点が魅力です。多種多様な興味を持つ仲間が集うからこそ、自分の研究テーマのみでなく、あまり関わりのない他の分野についても知見を広げることが出来ます。ぜひ私たちと一緒に研究をしてみませんか?の海や地球環境の姿を描き出したいと考えています。過去の地球環境を正確に理解できれば、地球の将来を予測することにもつながります。 地球科学は「総合理学」であることが魅力の一つです。地学のみならず、これまで学んできた数学・物理・化学・生物の知識を存分に活かすことができます。皆さんも地球科学系で、自分の中の「なぜ?」をとことん突き詰めてみませんか?の研究を通して太陽系が形成された当初の環境を知るべく研究を行っております。たった数ミリの隕石という化石から太陽系のなぜを探求することができるのが研究の醍醐味です。研究室で「はやぶさ2」のサンプルを分析するなど最先端の科学を諸先生達、世界中の科学者達とともに研究しながら私は毎日刺激に■れた生活を送っています。皆さんも是非一緒に地球・宇宙のなぜを探究しましょう!する面白さ。複雑系科学としての地球科学の在り方を考える楽しさと苦しさ。語りきれませんが、今となっては地球科学に深みを感じるようになりました。 私は現在、高圧変成岩の地球化学的解析に基づき、沈み込み帯深部での元素循環や流体移動を研究しています。将来は研究者を目指していますが、地球科学との出会いなくしては、この道に進むことは無かったかもしれません。皆さんにも是非、地球科学の面白さを実感してほしいと思います。地学専攻修士課程1年宮嶋 愛菜地学専攻博士課程3年西尾 拓哉地学専攻修士課程2年菊入 瑞葉地学専攻博士課程1年福島 諒■■■■■■■■■■
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