東北大学 理学部 地球科学系
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図1 顕微鏡の下に広がる微化石の世界(転載許可済:科博叢書『微化石』より)准教授 鈴木 紀毅 古生物学といえば、化石採集のお宝自慢や、壮大な想像を膨らますイメージがあるかもしれません。それはそれで楽しいのですが、このグループでは、古生物学の王道と地球科学で導入が進む統計科学や分子系統学を取り入れた研究をしています。放散虫というガラスの殻をもった海の微小な“アメーバ”プランクトンを中心に研究しています。化石記録がカンブリア紀からあり1万種を超える生物です。千年・万年単位で形が進化する様子を目で見ることができ、分子系統を使って化石で分かった事を証明していきます。進化は地球環境の変化と切っても切れない関係にあります。その関係の証拠が曖昧な情報だったり、数値化しにくい古生物の形態変化や環境変化だったりします。このような証拠を解析するのに使いやすい統計手法が統計科学の専門家によって開発されています。 これまでの研究を紹介すると、古生物学の王道の研究として、古生代からいまの海まで世界中で新種を含め1000種を超える放散虫を見つけてきました。進化系統樹を復元するため徹底的に分子系統解析してまったく新しい系統分類体系を提案しました。生命環境の研究では、統計科学を導入して、証拠がとぼしい古生代で放散虫の深海種を客観的に割りだしたり、千万年前頃の水温変化を数値化しました。 学問としての古生物学に興味がある学生が研究しているグループになります。Group of Paleoenvironmental Changes and Evolutional Paleontology06[ Webでもチェック! ]http://dges.es.tohoku.ac.jp/iryulab/生命環境史(進化古生物学)古環境変動学・進化古生物学グループ

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