東北大学 医学部 2024
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(2023.3.29 取材)(写真左から)高瀬圭/医学科長(放射線診断学分野:教授)、本間経康/保健学科長(医用画像工学分野:教授)、石井直人/医学部長(免疫学分野:教授)保つというのは大変なことですので、医療に携わるという高い志をしっかり確認して入ってもらいたいのが一つ。それから、解決するのが難しい問題だからこそ挑戦するわけで、失敗も覚悟してほしいです。学生の間は大概の失敗は致命傷にはなりません。失敗を恐れて何もしないのではなく、たとえ怖くても挑む挑戦心のある方に入ってきていただければと思います。高瀬 東北大学の医学部に入ってくる人たちというのは、良い医療者になるのはもちろんですが、日本の医療を良くする使命を持っていると思っています。目の前の病気、患者さんを治すことだけではなく、社会全体を良くするために医療がどうあるべきか、そんなところまでも幅広い視野で考えられる医療人になるという自覚と夢を持って入ってきてほしいですね。石井 もしかしたら無理かもしれないと思うようなことにまで若いうちにチャレンジをして、いろんな経験を積んだ人こそが日本の未来、世界の未来に貢献できる医療人材もしくは研究者になっていけるんだと思います。東北大学には何かに挑戦したければ何にでも挑戦できる環境が全てそろっていて、その先の人生におけるありとあらゆる選択肢を選べます。医療従事者になりたい人はもちろん、それ以外のさまざまなことに向かえる人を育てていますので、将来の選択肢を広げたい方はぜひ医学部に入っていただきたいなと思います。学生生活をエンジョイして、いろんなことに挑戦してほしいですね。高瀬 東北大学は全体が非常にレベルの高い総合大学であり、例えば新しい医療機器を開発しようという場合に、工学系の学部や研究所があって、学内に適切な、しかもピカイチの専門家がいることも強調しておきたいです。在学中に他の学部の研究者や学生と友達になって、将来一緒にこんなことをしようと夢を語れるような学生生活を送ってもらいたいです。石井 本間先生は医工学の教授を兼任されていらっしゃいますので、そうした知の融合について、ぜひ一言頂けますか。本間 日本の大学で独立研究科として初めて医工学というものを標榜したのが東北大学で、医療系、工学系はもちろん、それ以外の学部を出られた方も在籍しています。そういうさまざまな分野の専門家同士が物理的に近くにいると、自然発生的にいろいろな効果が期待できます。改めて誰かを探すとか、技術を求めるとかしなくとも、自然に融合が生まれる組織になっているのは非常に大きいことだと思います。失敗を恐れず夢を持って挑戦し世界の未来に貢献できる人材に̶̶そのように恵まれた環境が周りにある東北大学医学部を目指す高校生に向けて、メッセージをお願いします。本間 大学での数年間は人生の中で非常に中身の濃い時期です。その間、同じ志を04生活全般を通して人間力を育みその力を融合し医療発展へ貢献̶̶将来的に臨床や研究の現場で活躍できる人になるために、大学生活をどんなふうに過ごしてほしいですか。本間 リベラルアーツと一言で言えば簡単ですけれども、一見医学に関係ないことも含めた知識があるからこそ気付けることも多いので、幅広く教養を身につけ、学業以外でもいろんな体験をして人間力を高めていただきたいですね。サークル活動などを通して学ぶ人間関係やリーダーシップの取り方は、臨床の現場に出た時にも使えるスキルになると思います。高瀬 個人の力で突破できることは基礎研究の部分を除くと限られていて、その後世界で幅広く患者さんに新しい医療を開発するような時は、周りを渦のように巻き込む力が必要になってきます。学生時代というのはその縮図でもありますので、部活動やサークルに限らずアルバイトなど私生活全般を通じて、周りの人を巻き込む力を鍛えてもらいたいです。石井 人類の未知の問題に取り組むために、リーダーシップを取れる人材になれればいいですし、巻き込まれる側でも大きな貢献ができますから、どちらにしても自分の人間力を培うのは重要だと私も思います。学生時代にしかできない有益なことに挑戦する際には、われわれ教員も大いに応援しますし、そのための制度もありますので、ぜひ

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