東北大学 歯学部 2024
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授業紹介 東北大学歯学部の学生は、1、2年「人体の構造」「歯のかたち」 2年次に人体、特に口腔領域の形について学びます。「人体の構造」では人体解剖の講義や実習により全身の仕組みや役割を、「歯のかたち」では実物の歯(抜去歯)の観察によりヒトの歯の形を理解します。これらの講義や実習によって、歯科医師として最も基礎的で必須の知識を身につけることができるとともに、人の生と死や医の倫理についても考えます。「人体の細胞と組織」「口腔の細胞組織と発生」 組織学授業「人体の細胞と組織」では、人体において、多種多様な細胞が秩序よく配列されて組織や臓器をつくり、さらに個体を構成することを学びます。口腔組織発生学授業「口腔の細胞組織と発生」では顎、顔面および口腔と歯の組織の構成とでき方について、より詳しく学習します。どちらの授業でも、講義に加えて、顕微鏡で組織標本を観察する実習の時間があり、実際に自分の目で細胞や組織の特徴を捉え、所見をまとめる力を養います。佐藤匡講師笹野泰之教授「くすりの科学」 3年次「くすりの科学」では、歯科で頻繁に用いられる化学療法薬、抗炎症薬、解熱鎮痛薬、消毒薬のみならず、末梢神経系・中枢神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系に作用する薬物も含め、分子レベル、細胞レベル、個体レベルでの作用と作用機序を学びます。この科目を理解するには、2年次から学ぶ専門基礎科目の知識が必要です。若森実教授「歯科生体材料の科学」 歯は、自然治癒や再生が難しいため、歯科治療の多くは人工の材料を使用してかむ機能を回復させます。歯科生体材料学分野では、最先端の材料科学を駆使して歯科修復材料からインプラント材料まで新しい歯科生体材料の開発やこれらの材料の口腔内環境下における劣化と安全性などを研究しています。大学教育では、歯科の治療に用いられている歯科材料全域についての講義や実験を担当しています。高田雄京准教授「口腔修復学Ⅰ」 口腔修復学Ⅰでは、保存修復学の講義と実習を行います。講義は総論と各論に分かれ、総論では保存修復に必要な前処置、窩洞形態の一般法則、徐痛法、歯髄保護、仮封、窩洞形成法を学習します。各論では、審美修復(接着性コンポジットレジン修復、ポーセレンインレー、漂白法)と金属材料によるインレー修復法を習得します。実習では、基本的なレジン修復症例とメタルインレー症例をシミュレートし治療姿勢、器材の使用法、窩洞形成法、修復法を習得します。齋藤正寛教授08生で、広い視野と柔軟な思考力をもった歯科医師となるために、他の学部の学生と一緒に川内キャンパスで全学教育科目を学びます。「現代人、国際人として社会生活を送るうえで基盤となる知識と技能」、「人間形成の根幹となる、現代社会にふさわしい基本的教養や技法」、「専攻する専門分野の理解を助けるための幅広い学問分野に関する知識と技能」、「専攻分野を学ぶうえで基礎となる知識と技能」の4つ教養や知識、技能の養うことを目的として、【基盤科目類】、【先進科目類】、【言語科目類】、【学術基礎科目類】の4科目類から授業を受講します。一方、入学直後から最初の専門教育科目として、最新の歯学の概要にふれる「歯学概論」と歯科診療の現場を体験する「歯科臨床入門Ⅰ」との2つの導入科目を受講します。2年生からはコア科目と呼ばれる歯科医師となるために必須の専門教育科目が始まります。学生は、まず、解剖学、組織学、生理学、生化学、細菌学、免疫学、薬理学、病理学といった一般医学と同等の内容を含む基礎系科目を学び、その上で、口腔解剖学、口腔組織発生学、口腔生理学、口腔生化学、口腔細菌学、歯科薬理学、口腔病理学、歯科生体材料学などの歯科医学教育独自の基礎系科目を履修します。さらに3年生からは、歯科保存学、予防歯科学、小児歯科学、矯正歯科学など、臨床系科目も始まります。基礎系、臨床系とも、講義に加えて自ら体験して学習する実習の割合が高いことが歯学部のコア科目授業の特徴です。

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