東北大学 文学部 学部案内 2025年度入学者用
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 近年、芸術やヴィジュアル・カルチャーに対する関心が高まり、その意味を問う必要性が生まれています。本研究室では、芸術作品をどう見るか、その価値を美学において理論的な視野から、美術史において作品自体を歴史的コンテクストの中で調査し、その様式、図像、社会的役割について各自がテーマに即して研究しています。 特に、古代ギリシア・ローマ美術、イタリア・ルネサンス美術や、ネーデルラント美術、フランス近代美術を中心に代表的美術家について研究を行っています。また、東西の美術を比較し、「東西表象」の問題も扱っています。研究指導は、活発に行われており、演習での最新の欧米の研究論文について活発な議論を通して、また定期的な読書会や研究会により、学生同士が日々問題意識を掘り下げています。 本研究室では、多くがヨーロッパに留学し、その中から優れた研究者が輩出しており、学芸員資格を取得することができることからも、就職先は大学、美術館など多岐に渡っています。 行動科学は、人間の行動や社会について「なぜ?」という問いをたて、それに答えようとすることで、人間と社会を統一的に研究する学問です。行動科学が扱う問題は、社会学・心理学・経済学・政治学など多くの専門分野と共有しているものです。また、主な研究方法として数学や統計学を用います。行動科学は、文科系・理科系といった枠も越え、様々な学問領域の交差点に位置しているのです。 行動科学研究室で取り組んでいる研究は、大きく二つあります。 一つめは、社会における様々な不平等や、人々の意識などについて、社会調査データを収集し、統計的に分析をする研究です。 二つめは社会現象を数学的に表現したモデルを作り、これを分析する研究です。個人の行動が集積した結果、意図しなかった社会的な結果が生じるという、環境問題などに多く見られる現象のメカニズムの分析を中心にしています。 幅広い知的好奇心を持った皆さんの参加を期待しています。 社会学は、社会の構造や変動に注目しながら、人間と社会との相互作用を包括的・多面的に研究する学問です。人文・社会系の学問の中でも同時代的性格が強いと言えます。自己や相互行為をめぐるミクロな問題から特定の組織・団体や地域社会、地球環境問題に至るまで、幅広い領域で研究がおこなわれています。本専修は理論研究(J・ハーバーマス、N・ルーマン、U・ベックなどの現代的位置づけ、自己論、コミュニケーション論、社会運動論など)と、実証研究(コミュニティ研究や環境問題・災害研究、医療・福祉分野の研究、生命倫理の問題、NPO・ボランティアの研究など)の両方を学ぶことを重視しています。指導にあたっては、外国語文献の精読をはじめとする理論的トレーニングおよびフィールド調査にもとづく社会現象の質的分析に力を入れています。所定の科目を履修することで、社会調査士の資格をとることができます。本専修の卒業生は、専門教育と訓練の成果を生かして、マスメディア、自治体などの現場で幅広く活躍しています。 心理学は心を科学する学問です。もしかしたら人の心が自在に読めるようになるという期待を持つ人がいるかもしれません。しかし実際はちょっと違います。心理学が目指すのは、心の仕組を明らかにすることです。このとき、沈思黙考して頭の中で結論を得るのではなく、データを集めて科学的な手続きによって明らかにしようとするのが心理学の方法論です。 データの集め方は様々です。最先端の測定装置を用いて脳の活動を記録することもあれば、南米まで出かけて現地の人と触れ合いながら、その生活を記録することもあります。実験・調査・面接・観察…心理学専修では、講義で知識を学ぶだけではありません。実際の研究方法を「心理学研究法」「心理学実験」といった授業で、実習を通じて身につけてもらいます。具体的には、反応時間・フィールドワーク・ポリグラフ等々。おそらく初めて体験する現実の心理学に、新鮮な驚きと興味が湧くはずです。そして、これらのテクニックは卒業論文に結実し、皆さんの大学生活を締め括ってくれることでしょう。18Laboratory IntroductionAesthetics And Western Art HistoryBehavioral ScienceSociologyPsychology研究室紹介■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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