東北大学 文学部 学部案内 2025年度入学者用
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 東北大学文学部の母体は、1922年(大正11年)に開設された東北帝国大学法文学部です。発足当初から法文学部には、日本の人文社会科学をリードする教授がそろいました。また研究環境にも恵まれ、とりわけ、大学の附属図書館では、狩野亨吉の膨大な旧蔵書(人文学関係書を主とする約十万八千冊の書籍から成る一大コレクション「狩野文庫」)を備えるなど、質量ともに優れた図書を十分に活用できました。その後も、この恵まれた環境は保たれ、いっそうの充実を遂げました。たとえば、附属図書館では、夏目漱石の旧蔵書約三千冊を収める「漱石文庫」など、貴重な蔵書・コレクションが増え続けました。 1949年(昭和24年)に、東北大学が新制大学として再出発し、文学部が発足しても、1973年(昭和48年)に、キャンパスが片平から現在の川内に移転しても、2004年(平成16年)に、他の国立大学と同じく東北大学が法人化しても、「研究第一主義」という全学の理念とともに、こうした伝統は確実に受け継がれ、文学部に今も息づいています。そして2022年、文学部は創立百周年を迎えました。 東北大学文学部には現在、26の専修があります。その多彩さは、多様性と個性を重んずる人文社会科学のあり方にふさわしいものです。そしてここには、少人数教育を重視し、ひとりひとりの関心や長所を大切にする学びの場が用意されています。専門的な知識と思考法を深く学ぶことは、人文社会科学の幅広い基礎知識や、基本的な語学力を身につけることと決して矛盾しません。むしろこれらが結び付くところに、人間の存在、文化、社会を根源的に問い直す、「実学」としての人文社会科学の本領が発揮されます。学の深まりこそが学の広がりを保証し、その新たな広がりこそが、さらなる深まりをもたらします。 東北大学文学部はまた、地域社会に深く根ざし、国際社会に広く開かれた学びの場でもあります。東北地方の文化についての研究も積極的に進められ、その成果は授業の場に大いに生かされています。また、多くの外国人教員がおり、海外からの多くの留学生が在籍し、また逆に海外の大学に留学する機会にも恵まれ、海外の学者を招いての講演会やシンポジウムもしばしば開かれており、文学部はまさに国際的な場でもあります。 21世紀はさらなる情報化と合理化に向かって、科学技術が飛躍的に発展し続ける時代となるでしょう。そのような世界であるからこそ、人間の存在、文化、社会を根源的に問い直す、「実学」としての人文社会科学の重要性は増して行くはずです。東北大学文学部は、その「実学」を身につけようとする人々が集い、切磋琢磨する場であり続けます。伝統は清新であり続けることで保たれます。東北大学文学部の伝統を支えるのは、これからこの場に集って来るみなさんなのです。 文学部の26専修についてはこの後の「研究室紹介」をご覧ください。教員の専門やプロフィールについては文学部のウェブサイト(https://www.sal.tohoku.ac.jp/)をご覧ください。4History and PresentHistory and Present歴史と現在恵まれた研究環境と伝統の底力地に足を着け、世界に臨む ─深まりを究め、広がりを知る─そして、未来へ ─人文社会科学の底力を発揮する─

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