東北大学経済学部・大学院経済学研究科 学部・研究科案内 2025
5/16

経済学科3年岡田舜太さん石原ゼミ(経済データ科学)所属 情報技術の発展によって、ビッグデータといわれる非常に大きなデータも分析できるようになり、経済学におけるデータ分析の重要性は高まっています。データ分析というと、自然科学分野のイメージがある人が多いと思いますが、実験を行うことが難しい社会科学分野のデータ分析では自然科学の分野では考えられていなかった問題に取り組む必要があります。そのため、計量経済学という分野では、経済データの分析に特有の問題に取り組んでいます。 私のゼミでは、この計量経済学という分野について学習しています。計量経済学を学ぶには統計学やプログラミングの知識が必要なので、ゼミではテキストを輪読したり実際にコードを書いたりしています。また、データ分析には分析対象についての知識も必要です。ゼミでの学習を通じて、実際の社会問題に興味を持ち、データ分析によってその問題の解決策を考えることができるようになってほしいと思っています。日本経済学会英文学会誌「The Japanese Economic Review」2023年最優秀論文賞を受賞!細谷賞※受賞(2020年) データ科学はあらゆる学問領域の理論的手法を統合した実学です。経済学では、統計理論に基づくデータ科学の手法が、因果関係などの知見を探求・推定する目的で使われています。手法の具体例として、ゼミでは計量経済学や数理統計学を中心に、ゼミ生の関心に合わせ、現在の経済学ではあまり扱われていないベイズ統計学や機械学習も学んできました。経済学に限らない社会事象を説明できる多様な数理的手法に触れられるのが魅力です。在学生の声❶OKADA Shunta※データ科学分野の優秀若手研究者に贈られる賞ゼミの様子(石原ゼミ)在学生の声❷経営学科3年野呂田英之さん尾関ゼミ(監査論)所属NOROTA Hideyuki亀岡先生の授業使用テキスト/資料例Graduate School of Economics and Management, Faculty of Economics 2025 今日、世の中にはたくさんの情報があふれており、私たちは日々それらを使って意思決定しています。会計学は、経済社会において流通する情報のあるべき量と質を決定するための理論を構築したり、情報をめぐる人や組織の判断・行動がなぜ、どのように起こるのかを解明しようとする学問です。 会計学の一分野に監査があります。■に拡散する偽情報や誤情報がトラブルを引き起こすように、そのような情報が紛れて流通する社会では、人や組織は判断・行動を誤ってしまったり、疑心暗鬼から判断・行動を控えてしまったりする恐れがあります。こうしたリスクを軽減し、安心して情報を使えるようにするために情報の信頼性を保証する監査が実施されます。会計の仕組みは、情報を介して事業や投資といった経済活動を促進することにより、社会的課題の解決を後押しします。この仕組みがうまく機能するために不可欠な監査について、専門家としてもっと深く学びたいと考えています。 私の所属するゼミでは、企業の財務報告において問題となる不正会計について学んでいます。テキストを通して不正会計の専門知識を学習するとともに、実際に日本企業において発覚した直近の不正会計事例を収集し、その傾向を分析するという実践的な活動も行っています。不正を知るにはそのルールを熟知していなくてはいけないので、不正会計を調べることによって会計の理解をより一層深めることができることが大きな魅力です。石原准教授の受賞記録計量経済学石原卓弥准教授ゼミ名経済データ科学演習ISHIHARA Takuya監査亀岡恵理子准教授亀岡准教授メッセージ動画ゼミ名監査論演習KAMEOKA Eriko05経済学におけるデータ分析の重要性経済社会の発展を支える資本市場の番人Lecture and Seminar|授業・ゼミについて

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る