γaγ素・核理論素・核実験物性理論物性実験Ⅰ物性実験ⅡDepartmentof Physics│11素粒子・原子核が織りなす極微の世界を理論的に考察し、自然界の最も基礎的な法則や宇宙の成り立ちを解明します。この世の全て物質は、何がどのように結びついて出来ているのか、という根源的疑問に粒子加速器や大型検出器を用いて迫ります。多数の原子によって構成される様々な物体の多彩な性質を量子力学、統計力学などを駆使して理論的に説明します。固体中に存在する大量の電子が絡み合う事で生じる超伝導、磁性、トポロジカル量子現象などを調べ、その微視的機構を明らかにします。半導体、ソフトマター、超伝導体などの高機能物質の性質をナノプローブやレーザーを用いて解明し、ナノ物質を操作します。大学院では研究活動がメインになります。勉強とは異なり、研究ではまだ誰もやっていない事に挑戦する必要があります。そのため、困難に直面する事がよくありますが、その困難を乗り越えた時の達成感は大きいです。大変な事も多いですが、やりがいもその分非常に大きいので、ぜひ充実した大学院生活を楽しんでください!博士課程後期1年愛知県立明和高等学校出身平成30年入学■沢 幸紀さん■物の性質(物性)を決める電子を直接見たい!■という思いの下に、光を物に当てて出てきた電子を調べる手法(光電子分光)を用いて、原子層材料の電子状態を解明する研究を行っています。今まで見たことのないデータが得られた時の喜びは何事にも代え難いものです。この案内を見た皆様もまだ分からぬ世界を見てみませんか?Facultyof Science物理学という学問物理学は、自然界の様々な現象を極めることにより、その背後にある基本的な原理を明らかにすることを目的としています。自然界の様々な現象からその本質を抽出する■実験■、それらの現象を支配する法則や原理を表す■理論■を両輪として、素粒子・物質・生命・宇宙・情報などの謎を明らかにしてきました。それらの現象を理解することによって見えてくる基本原理の普遍性を基盤にして、さらに根源的な原理または多様な現象の探求へと研究が展開されています。講座・研究分野先輩からのメッセージ博士課程後期1年仙台第一高等学校出身平成30年入学大井 一輝さん研究ピックアップ宇宙のダークマターの正体をさぐる宇宙はいったい何で出来ているのでしょうか。現在の宇宙のエネルギーの約70%をダークエネルギーが、約25%をダークマターが占めていますが、その正体はまるで分かっていません。とくにダークマターと呼ばれる謎の物質は、宇宙の構造形成に重要な役割を果たしたことが分かっており、その探索実験が世界中で行われています。最近注目を集めているのがアクシオンやダークフォトンといった質量が軽いダークマターです。そのド・ブロイ波長が天文学的なサイズとなるような極めて軽い質量から電弱スケールに至るまで、数十桁にわたる広大な質量パラメター領域には多くのダークマター候補が存在し、初期宇宙における生成過程や進化、その観測への影響や実験的な検証方法は極めて多彩です。アクシオンを例にあげれば、白色矮星や赤色巨星といった天体の冷却過程への寄与、太陽アクシオン探索、電子や原子核のスピンとの相互作用、磁場中における光子との混合といった現象があげられます。この図は、アクシオンと光子との相互作用において量子異常が相殺する場合をファインマン図を用いて模式的に表しています。ffff
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