東北大学 理学部 学部案内 2025
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NN無機・分析化学講座物理化学講座先端理化学講座有機化学講座境界領域化学講座Departmentof Chemistry│15金属錯体、有機金属錯体、RNA誘導体を用いた合成と構造と物性と反応性に関する研究を行います。レーザーなどの計測法やコンピューターを使って、新規物質の性質や化学反応を分子レベルで解き明かします。放射線が物質や環境へ与える影響、生物の営みや細胞の働きなどを原子・分子レベルから化学的に解明します。有機化学は、本学の学問的源泉です。有機化合物の構造と機能、合成について幅広い研究が行われています。分子触媒、機能材料など、多方面に展開する化学をカバーする研究を行います。化学科では、物理化学、有機化学、無機化学などの幅広い化学を学ぶことができます。今は生物化学の研究をしていますが、他分野の基礎を学ぶことで興味・知識の幅が広がり、貴重な経験になりました。興味のある分野が決まっている人もそうでない人も、化学の面白さに触れられる環境だと思います。リチウム空気電池の反応機構解明リチウム空気電池は、正極活物質に酸素、負極活物質にリチウム金属を使う二次電池です。理論上あらゆる二次電池の中で最高のエネルギー密度を持つため、既に普及しているリチウムイオン電池に代わる次世代の電池として注目されています。この電池の基礎研究として、表面増強ラマン散乱という分光法を用いて正極上の放電生成物である過酸化リチウム(Li2O2)の生成・分解過程を観測し、電極表面における反応機構を解明しました。この研究は、リチウム空気電池の実用化に向けた開発の指針になると期待されます。博士課程前期1年東京都立国立高等学校出身令和2年入学鈴木 皓陽さん化学科では、物理学や生物学などの他分野と融合した研究も行われています。入学時にやりたいことが定まっていなかった私も、研究室配属までにじっくりと興味の持てる分野を考えることができたため、現在充実した研究生活を送っています。化学に少しでも興味があれば、化学科で充実した生活を送ることができると思います。BIQFacultyof Science化学という学問化学は、物質の性質や変化を原子・分子のレベルで理解することを目的としており、生物学や地球・惑星科学といった自然科学のみならず幅広い応用分野の基礎をなす非常に重要な学問です。化学の研究は、物質の創製や分離・分析手法の確立、物質の構造・物性(集合体としての性質)・機能・反応性の解明、そして新反応の発見と機構の解明を通じた真理の探究です。今後、環境と調和した物質世界を築いていくために、化学の果たす役割はますます大きくなっています。講座・研究分野先輩からのメッセージ学部4年雲雀丘学園高等学校出身令和3年入学大内 さくらさん研究ピックアップ生細胞RNAイメージング蛍光色素を開発!〜新しいシアニン蛍光色素〜生命現象を分子レベルで解明することは今世紀の化学が担うべき魅力的な研究課題です。本研究では、細胞中のRNA(核小体)を選択的に染色できる蛍光色素BIQ(下図)を開発しました。BIQは、■生きた細胞に適用でき■、かつ■明瞭な発蛍光応答を示す■世界トップレベルの色素です。核小体は、ウイルス感染やオートファジー、細胞老化との関連が注目されており、BIQはその機能研究に役立つことが期待できます。

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