東北大学 理学部 学部案内 2025
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古環境変動学・進化古生物学グループ地質・古海洋グループ断層・地殻力学グループ地形学・自然地理学グループ人文地理学グループ自然災害学グループ博士課程前期2年青森高等学校出身平成31年入学土谷 真由 さんDepartment of GeoEnvironmental Science│17堆積物や化石から、気候変動・島の地史・生物進化の謎を解読する研究に取り組んでいます。野外調査、微化石の解析、地層の年代決定を基に、古環境の変遷を読み解く研究を行っています。数理モデル、室内実験および地質調査を組み合わせ、地震の発生機構や地殻変動の原因を調べています。河川、海岸、斜面地形および変動地形(活断層)の発達史や形成プロセスを様々な手法によって研究しています。人・世帯や企業の空間行動、地域格差、環境、災害など、諸問題の実態把握と政策決定を探求しています。最新技術を用いて、地震・火山・津波など災害誘因のメカニズム解明や危険度評価に取り組んでいます。私が所属している研究室では、断層の運動に伴う岩石の変形や地震を扱っており、私は大気中ラドン濃度を用いた地震の予測を研究しています。様々な分野に精通している先生方や先輩方がいらっしゃるので、サポートを受けながら興味のある分野を探究できるのが魅力です。私たちに最も身近な地球を対象に研究してみませんか?博士課程前期2年宇部高等学校出身平成31年入学山根 悠輝 さん人間の行動を定量的にモデル化する−犯罪の時空間的集中−我々の日常生活と同様に、犯罪にもリズムとパターンがあります。犯罪を理解する1つの手がかりは、犯罪発生の時間と空間にみられる系統的な関係性を調べることです。例えば、性犯罪の1日の中での時空間的な発生を示す図を描くことにより、性犯罪は都心部の夜間に多いが新宿ではそれが早朝にまで及んでいることがわかります。こうした地理学的解析は、都市環境と犯罪機会との関連性の理解や将来の犯罪発生場所の予測を可能にします。地球科学では、様々な場所や空間・時間スケールで生じる事象を扱います。また、室内での実験・分析から野外調査まで、分野によって研究手法も様々です。例えば、私の研究対象である活断層は地球表層に存在し、比較的新しい時代に活動しています。そのため、活動の痕跡が地表に残されている場合が多く、野外調査が研究の中心となっています。Faculty of Science地圏環境科学という学問地圏は、岩圏(固体地球)・水圏・気圏を包括する領域であり、生命圏や人間圏が存在・活動する場です。地圏環境科学科は、このような地圏の仕組みや成り立ちを多様な視点から探究し、さらに将来像を描き出すことを目指しています。このため、伝統的な研究手法や専門分野の特有の思考に捕われることなく、異分野と積極的に交流し、将来の枠を超えた新たな“地圏感”を創出するよう、努力しています。地圏環境科学科は、地球・生き物(化石を含む)・人間大好き人間が集う学科です。講座・研究分野先輩からのメッセージ研究ピックアップ■海■は救いのヒーロー/ヒロインになれるのか?地球の気候システムは、私達が大気中に大量放出した二酸化炭素を今後どのように処理し、地球上に分配するのでしょうか?この謎を解く重要な鍵が■海■です。各海域の水塊にはそれぞれ熱や二酸化炭素などを運搬・蓄積・放出する機能があり、それらの特性や挙動は、海洋が本来もつフィードバック作用を理解する重要な手がかりです。近年の分析技術の開発・向上は、堆積物や含有化石に記録されている過去の海洋の変化を定量的に捉えることを可能にしました。過去の気候変動下での海の挙動・役割を正確に知ることで、海の正体を知ることができます。

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