東北大学 理学部 学部案内 2025
9/36

代数学講座幾何学講座解析学講座多様体論講座応用数理講座相関数理解析講座Department of Mathematics│09多項式で表される■図形■を扱う代数幾何学、整数の奥深い性質を追求する整数論、自然界に現れる様々な対称性を探究する表現論など。目に見える曲線や曲面だけでなく、3次元や4次元以上の■目に見えない空間■も研究する分野である。微分幾何学、位相幾何学など。様々な自然現象、社会現象の根底にある数理構造を微分方程式論、確率論、実解析学を用いて解明する。■曲がった空間■の研究に始まり、距離空間の幾何学、幾何学的群論、離散幾何学など、様々な対象の幾何学的性質を研究する。数学そのものを研究対象とする数学基礎論、計算機の仕組みをモデル化して研究する計算機科学など。様々な分野の研究者と連携し、数理的議論や数値シミュレーションを駆使して諸科学や工学、医学への応用を行う。応用数学、数理物理学など。大学で学ぶ数学は、一つの問題を解くために何時間も考えることが往々にしてありますが、解けたときの達成感や喜びは何物にも代え難いです。数学科では、仲間や先生から良い刺激を受けて、勉強にやる気が出たり、資料も充実していたりと数学を追求するのに絶好の環境です。皆様も東北大学で数学の魅力を味わってみませんか。▲ポアンカレ予想の証明の概略図博士課程後期2年北海道立遠軽高等学校出身令和3年入学角野 裕太 さん私は元々■数学は嫌いではないけど、決まった公式や解法ばかりで、つまらない科目だなぁ■と思っていました。しかし、ある数学者の講義をテレビで視聴し、知らなかった数学の自由さ・美しさ・奥深さに出会いました。数学科では、高校の授業では味わえない面白さに出会えると思います!ぜひ、衝撃な出会いを経験してください!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Faculty of Science数学という学問様々な数の間に成り立つ不思議な関係や、図形や関数の美しい性質などはいつの時代にも人々の関心を惹き付けずにはおきません。例えば、凸多面体では(面の数)−(辺の数)+(頂点の数)=2という関係が常に成り立つというオイラーの定理があります。このような不思議な美しい関係をより深く研究するのが、数学という学問です。一方で、数学は物理学、化学、生物学、情報科学、工学、社会科学など諸分野と深く繋がっていますが、その繋がりは今後益々強くなっていくでしょう。講座・研究分野先輩からのメッセージ博士課程前期2年栃木県立足利高等学校出身平成31年入学柿沼 陸哉 さん研究ピックアップ測度距離空間の幾何学数学では、様々な起源を持つ数学が思いもよらない形で結びつくことで大きな発展が生まれることがあります。例えば、3次元多様体という図形の基本群という代数的な不変量に関する位相幾何学の問題でクレイ数学研究所のミレニアム問題の一つでもあったポアンカレ予想は、リッチフローという偏微分方程式を解くことで多様体を変形する解析的な手法に数理物理学に関係するエントロピーという量や統計力学の概念を導入し、リーマン多様体の収束・崩壊理論という微分幾何学の手法との合わせ技で証明されました。数列と同じように、多様体の列の収束や極限が定義できますが、その極限は多様体ではなく、一般には特異点を持つ測度距離空間というワイルドな空間になります。例えば多様体では関数の微分を考えることが出来ますが、多様体でない空間で関数の微分を定義するためには工夫が必要です。近年活発な幾何学の研究の一つとして、多様体だけでなく測度距離空間にまで対象を広げて新しい定理を証明したり本質を理解しようとする研究があり、東北大学に縁のある数学者達による貢献も大きいです。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る