3年次4年次07複数の医学部でも学生の基礎系分野配属は行われています。しかし、本医学科で行われている修練は他大学にはない、特記すべき点があげられます。即ち、 1)修練期間中は月曜から金曜まで、 2)その間は朝から夕方まで、フルタイムであること。 3)配属分野は学生の希望をできるだけ優先し、 4)最大でも各分野4-5名程度の少人数教育であること。 5)分野によっては、ある期間、海外での修練も可能であり(毎年25名近くが海外研修を体験)、 6)一部の成績優秀な学生には奨学金によるサポートがあること。 7)多くの学生が研究成果を発表しますが、その運営は学生主体であり、 8)発表者の中から優秀者の表彰があることです。全国医学部共通の試験(共用試験)では医学的知識を問うCBT(Computer-based testing)の他に、実際の臨床技能と態度を測る客観的臨床能力試験OSCE(Objective structured clinical examination)が行われます。従前の医学教育は医学知識重視型でしたが、現在では医学生のうちから医療面接や身体診察などの基本的な臨床技能と態度の習得が重要視されています。そこで本医学科では臨床修練がスタートする前に、8-9名のグループに分かれ、ローテーション形式の実習で、臨床実習に参加するために必要とされる技能と態度をしっかりと習得します。Pick Up CurriculumPick Up Curriculum基礎医学修練の実施(研究室配属)3年次には、社会医学系専門科目として「公衆衛生学」「衛生学」「法医学」に加え「医の倫理学・社会学」が始まります。また4月から「医学専門英語」としてE-learningと医学英会話のグループ学習を行います。夏休み明けには、「研究第一」を建学理念とする東北大学の特徴である、「基礎医学修練」が行われます。各基礎系・社会医学系分野および基礎研究も実施している一部の臨床系分野に、学生が研究者として所属し、そこで20週にわたって研究を行うというものです。中には海外の研究機関で基礎医学修練を行う学生(25名程度)もいます。そして最後にその成果を口頭あるいはポスターを用い、学会形式で報告・討論を行います。なお、冬期休暇が明けた後、臨床系専門科目の講義が始まります。臨床系専門教育この学年では、臨床実習を開始するために必要な臨床に関する医学的知識を習得するだけではなく、臨床的な技能と態度を身につけます。臨床分野は多数の診療科に分かれています。しかし人の病気は一つの診療科だけに限られるわけではありません。また、病気の徴候は人によって様々であり、それぞれの専門性だけに頼ると、診断や治療の遅れにもなりかねません。そこで本医学科ではつながりの深い複数の診療科をとりまとめ、それぞれのブロック別に講義と試験とを実施します。4年生は全てのブロックの試験に合格した後、改めて2種類の全国医学部共通の試験(共用試験)を受け、この合格をもって、「Student Doctor(学生医)」が付与され、次の臨床実習に進むことになります。基礎医学修練臨床修練前準備実習
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