歴史学は過去を対象に研究し、現在を考える研究分野です。日本史学にあっては、日本の国家と社会、およびそこで暮らす人々のさまざまな活動と、そこから生み出された文化、そして様々な国や地域・民族との関わり方などの歴史的展開を研究対象としています。大学で歴史学を学ぶことは、知識や歴史像を覚えこむことではありません。過去の人々が生活や社会的営みのなかで生み出し今日に伝わっている文書や記録を主たる史料とし、その読解と分析を通して自身で歴史像を組み立て、物事を長い時間の流れのなかで考える能力を培うことに教育の主眼をおいています。 本専修は大学教員・中高教員や博物館・教育委員会などの文化財保全の分野に多くの人材を送り出しており、近年は官公庁や企業に就職する人もふえています。どの道に進むにせよ、学生時代に培った、自身で調べ、考え、表現する能力は大いに役に立つはずです。 文化人類学の対象とする「文化」とは何でしょうか。一言で表すと「私たちのやることなすこと全て」です。それを「自分の属する文化」だけではなく、「異文化」を経由して考えます。そのために遠い地域や馴染みのない風習を対象に、現地に長期間にわたって住み込み、日常生活を微細に観察して、そこに暮らす人の話に耳を傾ける文化人類学的なフィールドワークを行います。それだけ長い時間現地にいると、現地の人と密接な関係ができ、時に揉め事に巻き込まれるようなこともあります。ともかく現地にべったり張りつきながら、その地の人生観や世界観を理解しようとする学問です。ここでの学びは皆さんがタフに世界を生き抜く力に繋がるでしょう。専修では概論や演習を経て、三年次の実習でフィールドワークの初歩として通いの現地調査を行います。学部の間に旅行や留学で国外に飛び出す学生も多いです。マスコミやNGO、公務員などあらゆる分野への就職実績があり、大学院に進む学生もいます。詳しくは「東北大学 文化人類学研究室」で検索してみてください。10Japanese HistoryCultural AnthropologyJapanese Literature 日本文学は、古代から現代にいたる、きわめて幅広く多様な日本の文学(文芸)を研究の対象とします。日本文学の研究にはさまざまな立場や方法がありますが、東北大学日本文学研究室では、文芸を芸術の一種と捉える見地に立ち、日本文芸の様式・特質・展開を明らかにするとともに、その意義を世界文芸との関連において探究することをめざして、活発な研究と教育が行われています。 本研究室には、多くの大学院生、外国人留学生も在籍しており、新たな見方・考え方・知識を得る機会にも恵まれています。また、卒業生も、国内・海外の学界・教育界・図書館・ジャーナリズム・出版界・官公署・企業など多方面で活躍しており、卒業生と在校生から成る「東北大学国文学科杜の会」も組織されています。さまざまな人との貴重な出会いと交流の中、本研究室で着実に多彩に柔軟に日本文学を学ぶことをとおして、幅広い視野から新たな発想で文化・社会を深く理解する力を身につけることが期待されます。Archaeology 考古学は、過去の人間社会とその文化の探求を行う歴史学の一分野です。考古学の特徴は、集落や城柵などの遺跡、住居跡などの遺構、出土した遺物を主な研究対象として、歴史の復元を進めるところにあります。旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世、近世のどの時代でも、実際の遺跡や遺物に直接触れながら学びます。遺跡の発掘調査に参加し、出土した資料の整理や分析を通じて考古学の基礎を身につけて、卒業した後には考古学の専門職に進む道がひらかれています。考古学陳列館には、477点の国指定重要文化財をはじめ、日本考古学の基準になる豊富な収蔵資料を有しています。また、自然科学の様々な分野の協力を得て遺跡の研究をすすめています。遺跡がいつのものかを年代測定によって知り、昔の集落のすがた、そのまわりの自然環境、生活環境を科学的に復元し、縄文時代の狩猟・漁撈や、古代人の生産活動、土器や石器の製作技術、またその使い方など、様々な研究がすすめられます。最新の分析・観察機器を用いた調査、研究方法も学びます。中国、韓国、ロシア、フランス、アメリカ・モンゴルとの国際交流と共同研究も盛んです。研究室紹介 Laboratory Introduction□□□□□□□□□□□□□□□55776688
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