西洋史専修は、私たちから見たいわゆる「西洋」で、文字で書かれた記録が今に残る時代・地域を研究対象としています。つまり古代地中海世界から始まり、ヨーロッパ世界が成立する中世を経て、直接現代につながる近代ヨーロッパや南北アメリカの歴史です。 これらの時代・地域に展開した人間の営みを明らかにするために、彼ら/彼女らが書き残した文献史料を素材とし、先学の研究成果に学び、考古学など隣接諸学の知見も利用しながら、研究をおこないます。また、21世紀に生きる私たちにとって不可欠の、時代像や世界像の再構成をおこなうことも、私たちの使命と考えています。 外国語を身につけ、史・資料をじっくり分析し、あるいはヨーロッパやアメリカの地に実際に立って、人類の過去・現在・未来を考えようとする皆さんに、良質の研究環境と研鑽の場を提供しています。 外国語の能力と史・資料分析力、そして歴史的思考力を身につけた卒業生は、専門知識を直接に生かせる教育界はもちろん、官公庁・マスコミ・メーカー・IT関係そのほか、多種多様な分野で活躍しています。 人が倫理学に本気になるのは不幸な時です。 頑張っても頑張っても、努力が報われない時。怪我や病気で体がままならない状況にある時。暴力や犯罪に巻き込まれた時。家族や友人、恋人を亡くした時。人生の危機に直面した時、人は深く悩み苦しみます。生きていれば、人間はいつかそんな日がやってきます。倫理学は、人類の答えのでない問いから始まりました。そして、延々と「人生の意味」「幸福とは何か」「どう生きれば善いのか」を考え続けています。倫理学を研究するとは、その人間の自問自答の営みに身を連ねることです。 さらに、倫理学の研究の上で、一番、難しくて面白いことは、自分の人生の悩みと研究のテーマをどうやって切り分けるのか、です。もちろん、自分の悩みを直接、倫理学的に研究したい人もいるでしょう。でも、全く関係なく見える過去の哲学者・倫理学者の本を読んでいるうちに、吸い込まれるようにその世界に没入し、「これこそが自分の研究テーマだ」と発見する人もいます。過去の哲学者・倫理学者たちが「何を考えてきたのか」を学びながら、あなたの中にある答えのない問いに向き合ってみませんか。16European and American History EthicsPhilosophyFrench Literature フランス文学専修では、フランス語文献の読解や会話を学びながら、4年生になった時にフランス語圏の小説や詩、演劇、思想から歴史、社会に至るまで、自由にテーマを選んで卒業論文を執筆します。フランス語と日本語の比較、フランス語圏アフリカの言語政策、フランスの社会運動、シャンソンの歴史を研究テーマに選ぶ人もいます。 また、早い人は2年生から1年間ほどの留学を経験します。交換留学協定のあるストラスブール大学、リヨン大学、リヨン高等師範学校、グルノーブル大学、レンヌ大学、パリにある国立東洋言語文化研究大学(INALCO)などが人気で、専修には留学のノウハウが蓄積されています。 専修への進級にあたってフランス語能力は必須ではありませんが、できれば1年生で基礎フランス語を履修しておくことが望まれます。卒業生は、公務員、大学職員として活躍する人が最近は目立ちますが、ほかにも商社、出版社、銀行、教員など、その進路は多彩です。また、研究者や高度教養人をめざして大学院に進学する人もいます。 哲学(philosophy)という言葉は「知を愛する」という意味のギリシア語に由来しています。「知を愛する」ことは、人を愛することと同じように、誰にでも開かれた普遍的な営みです。実際、プラトンもアリストテレスも、哲学は単純な「驚き」から始まると述べています。もちろん、ただ驚いているばかりでは哲学は始まりません。その不思議や□を理論的に解きほぐし、物事の根本に□って考え抜くことが要求されます。そのために必要なのは、ソクラテスが実践したように、筋の通った議論を最後まで続けることだけです。その意味で、哲学は知的好奇心と理論的探究心を持つ者なら誰でも参加できる、「知」のマラソン・レースだと言えるでしょう。 私たちの研究室が主に扱うのはヨーロッパを中心とした西洋哲学であり、現在のスタッフの研究領域は、古代哲学、近現代哲学、科学哲学、生命環境倫理学と多岐にわたります。好奇心と持久力をそなえたみなさんが、観客ではなく競技者として私たちのレースに参加されることを期待してやみません。研究室紹介 Laboratory Introduction□□□□□□□□□□□□□□□1717191918182020
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