123農学部・農学研究科 西谷 豪 准教授農学部・農学研究科 野地 智法 教授12も つ こ と も わ か り 、ク リ ー ン で ノ ン ケ ミ カ ル な 害 虫 駆 除 へ の 利 用 が 期 待多くの昆虫の生存・繁殖に光は必要なものですが、その反面、致死効果を発揮するほどの毒性を示すこともあります。紫外線の動物への強い毒性はよく知られていますが、毒性はほとんどないとされていた可視光の中の青色光に、殺虫効果があることを発見しました。青色光は様々な昆虫種に殺虫効果をされています。青色光殺虫はすでに一部の食品工場で導入され、農業での実用化も研究中です。また、殺虫メカニズムも徐々に分かりつつあります。世界の人口増加に伴い、海洋における漁業・養殖業の重要性は今後さらに高まっていくと思われます。海に囲まれた日本は、特に豊富な水産資源を有しており、食糧増産の大きな可能性を秘めています。しかし近年、赤潮や貝毒といった有害有毒プランクトンの増加による被害が多発するようになりました。私たちの研究室では、そのようなプランクトンに感染して消滅させる寄生生物を発見し、その知られざる微生物間の神秘に驚きながら、日々研究をしています。今後はこの寄生生物を天敵製剤として、実際の海洋に適用することを目指しています。農学部・農学研究科 堀 雅敏 教授母乳中に含まれる抗体は、免疫機能が脆弱な幼若期の子に移行される母体由来の重要な免疫物質で、その多くは授乳期の乳腺に存在する形質細胞(リンパ球の一つであるB細胞より分化した細胞)から分泌されます。この形質細胞の由来を特定することを目的とした研究を通して、その大半が、乳腺から遠く離れた腸管に由来していることを明らかにしました。また、母乳中抗体が産生される際に腸管の免疫機能が高められるためには、腸管内に生息する特定の微生物の存在が重要であることを突き止めました。TOPICS 研究トピックス青 色 光の殺虫効 果を世 界で初めて発 見赤潮を消滅させる寄生生物を世界で初めて発見母乳中抗体が作られるメカニズムを解明
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