東北大学 薬学部・大学院薬学研究科 2026
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14東北大学 薬学部/東北大学 大学院薬学研究科 2026TOHOKU UNIVERSITY薬理学1-4 薬理学は生体に及ぼす薬物の影響を研究し、薬がなぜ効くのかを探求する学問です。本授業では、基本的な細胞外情報伝達物質と細胞内情報伝達機構について学び、さらに末梢神経系、循環器、腎臓と泌尿器、中枢神経系、呼吸器・消化器に作用する薬物についてそれぞれ学習します。また、炎症・免疫系、内分泌系に作用する薬物、感染症治療薬、抗がん薬およびそれらの臨床作用についても学びます。薬剤学1,2 薬物が治療効果を発揮するには標的組織に到達する必要があります。新薬の分子設計のみならず、臨床薬物療法における投与設計においても薬物の体内動態を理解することは必須です。本授業では、吸収、分布、代謝、排泄の各過程の制御因子、および体内での薬物の動的状態を取り扱う速度論を理解することを目的とします。また、剤形論を中心とした物理薬剤学分野の基礎と応用についても学びます。生薬天然物化学1 植物や微生物が作り出す天然有機化合物 (天然物) は治療薬の開発などの薬学研究の飛躍的な進歩に貢献してきました。本授業では、天然物の分類、化学構造、生合成、薬理作用を学習し、有機化学を基盤として創薬や生命科学への応用に必要な基礎的知識を学びます。さらに、天然物化学研究の歴史や最先端のトレンドにも触れることで、天然物化学研究と他の分野研究との関連性についても学びます。構造化学 薬物の作用を分子構造レベルで解明することは、新規医薬品を設計する上で重要です。本授業では、分子構造解析のために用いられる各種分光法や回折法などの測定原理を学び、薬物のような小さな分子からタンパク質のような巨大分子に至る多様な分子の構造を解析する方法について理解を深めます。また、タンパク質や核酸など生体を構成する分子の機能と構造の間には密接な関連があることを理解し、生体分子の機能発現と薬物によるその制御を分子構造レベルで考える力を修得します。衛生化学1 衛生化学は、人の健康の維持・増進と疾病予防のため、人にとって必要な栄養素の理解や、環境ストレス、化学物質、薬物など様々なストレスから人を守る方策を考える研究領域であり、重点的な研究テーマは時代のニーズに合わせて変化します。本講義では、特に、栄養素の消化・吸収やエネルギー代謝、化学物質の体内動態、化学物質の毒性、化学物質の安全性評価と規制について理解を深めます。有機反応化学 有機化合物の合成には、有機反応への深い理解が必須です。本授業では有機金属化学反応および非金属ヘテロ原子を用いる有機反応について詳しく学習します。有機金属とヘテロ原子の化学を幅広く学び、有機合成における有用性を深く理解します。放射化学 放射線とラジオアイソトープに関連した基礎知識を正確に理解し、その取扱に聞する技術を身につけ、核医学診断に使用する放射性医薬品の特質、製造法、管理法、利用法について学習します。医薬品化学1、2(医薬品化学2は展開教育科目) 医薬品創製の歴史から現在の高度な創薬研究について、スクリーニングによるヒット化合物から構造展開、および特許取得など、医薬品候補化合物を臨床試験に進めるために必要な創薬の流れを学習します。また、医薬品の標的分子の機能、および構造的特徴を学び、医薬品が標的分子に結合・機能する作用機構について分子レベルで学習し、代表的な医薬品の開発事例をもとに、創薬に必要となる基本的知識を習得します。構造薬学実習 分析化学実習:医薬品の品質管理上不可欠な、化学平衡反応を活用する定量法を体験し、その原理を理解するとともに、薬物および生体成分の体内動態など生命科学の各分野で求められる定量分析の基礎理論と技術の修得を目的とします。 物理化学実習:薬学の分野で研究に応用されている物理化学的方法の中から、各種分光法や電気化学法などの基本的な方法について、その原理を理解するとともに、実験方法を修得することを目的とします。ごあいさつ薬学部概要カリキュラム創薬科学科薬学科講義内容大学院分野(研究室)紹介卒業・修了後の進路など入試情報・奨学金教育研究施設組織図オープンキャンパスキャンパスマップ

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