3つの理念に基づき常にチャレンジする大学The 23rd President ofTohoku UniversityFEATURE04TOHOKUUNIVERSITYLET’S GO OUT INTO THE WORLD TOGETHER AT TOHOKU UNIVERSITY.国内初・唯一の認定「国際卓越研究大学」東北大学総長のご挨拶東北大学で、一緒に世界へ東北大学第23代総長Teiji TOMINAGA大幅減額、研究補助人材の不足などを背景に、日本の大学の研究力は右肩下がりに。海外に対する競争力の低下が危惧されて久しく、このままではますます厳しい状況に追い込まれていくという危機的状況にありました。そこで、国が考案したシステムが「国際卓越研究大学制度」です。 「国際卓越研究大学制度」とは、日本の大学の研究力を向上させ、世界トップクラスの研究者の獲得、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が見込まれる大学を「国際卓越研究大学」として認定し、大学ファンドによる助成を実施する制度です。国立・私立合わせて大学10校が応募した中で、2024年6月には東北大学のみが基準を満たしているとの発表があり、唯一の最終候補として審査を受け、11月に見事認定。12月には同制度の事業計画である「研究等体制強化計画」が認可されました。 本学が国内初の「国際卓越研究大学」に認定された一番の要因は、今のままの国立大学の運営では世界の大学と勝負できないことを直視した上で、本当の意味で改革を起こし、これまでしているでしょうか。東北大学は、常にチャレンジしていく大学です。1907年(明治40年)に東北(大正2年)には日本の大学で初めて女子学生の 東北大学への進学を検討中の皆さん、現在どのような夢を描き、どのような壁にチャレンジ帝国大学として創立した当初より、専門学校・高等師範学校の卒業生を受け入れ、1913年入学を許可、さらに海外の学生に初めて博士号を授与するなど、「門戸開放」の理念のもと、変革を価値として歴史を築いてきました。 社会の中で活かされる、価値のあるモノを生み出す「実学尊重」も、東北大学の大切な理念の一つです。例えば皆さんが普段使用しているコンピュータのハードディスクは、東北大学の岩崎俊一名誉教授が開発した垂直磁気記録方式が元になっています。現代社会の当たり前、日常生活の便利を支え、次の常識を生み出す研究が東北大学では日々進められているのです。 そして「研究第一主義」。真理の探究に励む研究者とともに学生自らが研鑽を積むことで大きく成長できるという考え方で、東北大学は研究中心大学として、学生と研究者が望む環境を整え、研究の推進を支え続けてきました。しかし2004年の国立大学法人化による運営費のにない国立大学を目指すという確固たる決意が評価されたものと考えています。常にチャレンジし続けてきた大学として、変革を恐れず、果敢に挑む本気度を見ていただけたことは嬉しく思います。また、東北大学の魅力の一つである“一丸となって取り組む力”が伝わったことも要因の一つでしょう。他の旧帝国大学と比較して学生数は少なく、ほぼすべてのキャンパスが仙台市内にあるため、学内でFace to Faceの人間関係を構築できること。東日本大震災をはじめとする災害や課題を乗り越えてきた共通の経験があること。さまざまな要素が重なり、東北大学は心を一つにできる、目標のために立ち上がり一丸となって行動できる大学になっていると思います。冨永 悌二02
元のページ ../index.html#6