平成30年度 筑波大学入学案内
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少人数グループ学習病理実習カリキュラム 医学類は、社会の要請に応えうる医師の養成を目標として、新しい医学教育を行っています。平成28年度には第43回生の諸君を迎えました。また、多様な学識と社会経験を有する大学卒業者を対象に医学教育を行う目的で、編入学制度も採用しています。最近の医学の目覚しい進歩と医療の変化に伴い、医学生が学習すべき内容量は急速に増大し質も著しく変わってきました。最新の知識と技能を最大限に詰め込んで卒業しても、そのままでは日進月歩の医学と医療の世界から取り残されてしまいます。 卒業後も自己学習・自己開発を続け、発展させる能力を獲得しなければなりません。さらに、医師は、病気の予主な授業科目Phase1(医学の基礎コース)1年次から医学セミナーや介護体験を通して医学、医療に触れるとともに、3年次終了までに生命科学やヒトの構造と機能の基礎、ヒトの正常と病態を、全てが統合された形で学びます。学習形式はナビゲーター役の教員と少人数のグループ制での自己学習、討議、レポート作成とその評価が主になりますが、導入部や必要とされる部分では学習の鍵になる講義もなされます(テュートリアル教育)。テュートリアル人間学入門では医学生として円滑な勉学開始のために、医療の心を理解して勉学への意欲をもち、学問への取り組み方を知ってそれを習慣づけます。また3年次までに『生体と薬』、『先端医療から考える人間学入門』など基礎医学中心のコースから『呼吸』、『循環』、『消化』など臨床医学を中心としたコースまで約20のコースに分けてテュートリアル教育を基本とした医学基礎教育を行います。Phase 2(臨床実習)4年次からの2年間は実際の診療を通して必要な知識、臨床技能・態度を学びます。学生が診療を見学するというのではなく、診療チームの一員に個人として加わり、患者さんを受け持つことになります。4年次では、筑波大学附属病院で複数の診療科のチームの一員として過ごし、様々なカンファレンスなどに参加する間に基本的な臨床技能として医療面接、系統的身体診察、カルテ記載法、基本手技などを確実に身につけます。5年次は、筑波大学附属病院での実習に加えて、学外における実習(病院実習、診療所、保健所、救急、行政など)も経験します。4~ 5年次の実習終了時には、全ての診療科や診療部門を必ず経験することになりますが、この中で単に疾病を学ぶのではなく、患者さんを中心に問題をとらえ、多面的に解決する思考能力を身につけていきます。また、将来の進路を決定する手がかりを得ます。Phase 3(自由選択学習)6年次前半は選択制で、基礎・臨床・社会医学の研究室、学外施設(医院、緩和ケア、保健所、行政など)、海外の病院から様々な組み合わせの選択が可能です。臨床実習後に医学をもう一度、基礎・臨床・社会などの各専門分野から見つめ直すことを目的とし、進路を決める際の重要な参考にもなります。後半は卒業試験に先立ち、総括的講義が開講されます。[ 人材養成目的 ]104http://igaku.md.tsukuba.ac.jp/医学群医学類 高い問題解決能力と他者との協調性、外国語運用能力を基盤とした臨床能力、研究能力を備え、人類の健康・福祉の増進に生涯貢献する強い意志と豊かな人間性を有する臨床医、医学研究者、保健・医療・福祉行政者を育成する。全ての卒業生は将来、広く国際社会で活躍することが期待されている。98http://igaku.md.tsukuba.ac.jp/

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