平成30年度 筑波大学入学案内

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ー、確率論、関数解析、複素解析、数理論理学、数理統計学、計算機数学などで、学生諸君はこれらを学ぶことにより、純粋数学のみならず情報数学を含む数理科学についても視野が広がるように配慮されています。　４年次には、卒業研究を受講することになります。卒業研究ではセミナーが用意され、学生はそれぞれの研究分野への関心に応じて、幾つかのグループに分かれます。セミナーでは、それぞれの専門分野の数学について、研究発表をしたり指導教員と議論を交えたりします。講義とはまた違った充実感を味わえるものと思います。卒業研究発表会は日頃の成果を示す恰好の場になります。専門として学べる内容　数学類では各種の講義や演習とともに、１年次から４年次まで、数学類特別セミナー、数学外書輪講、少人数で行う卒業研究等のセミナーが設けられています。学生自らが学習成果を発表し、教員のきめ細かな指導のもとで、個々の能力が伸ばせ、そして数学的思考能力が身につきます。また情報数学にも配慮されたカリキュラムが用意されています。教職（数学、情報）の免許取得も可能です。　１、２年に学ぶ数学は、３、４年次に学ぶ数学に向けてのウォームアップにあたります。１年次の数学の科目は専門科目でなく、専門のための専門基礎科目にあたります。微分積分学、線形代数学、集合論は、いずれも数学のどの分野においても基本的かつ必須なものです。また、２年次には、代数、トポロジー、ベクトル解析と幾何、微分方程式、関数論、統計等の入門的授業が始まります。　３年次の数学は、現代数学の第１ページというべきもので、内容は大きく分けると、代数学、幾何学、解析学、情報数学です。また、後期には、卒業研究の準備として卒業予備研究が始まります。授業や演習に出席するだけでなく自ら専門書を読むなどしてそれぞれが興味を見出し、より理解を深めます。この卒業予備研究を通して数学を学ぶ楽しさと数学の奥深さを実感できるものと思います。　３、４年次の数学には、次のような専門的授業があります。ガロア理論、リー代数、環論、微分幾何学、トポロジ特　長　純粋数学を学べるだけでなく、情報数学を含む数理科学についても広く学ぶことができるので、専門性を深めることと同時に、数理科学的視野を身につけることができます。数学類ホームページ●向川原　弘明数学類4年上田　華乃子2017年数学類卒業群学工理群学報情群学医群学門専育体群学門専術芸群学境環命生群学間人群学化文・文人群学際国・会社69http://nc.math.tsukuba.ac.jp/college/でパンフレットのPDFファイルを見ることができます。パンフレットに載せきれなかった情報も掲載してあります。　突然ですが、皆さんはどのような理由で大学を目指しているのでしょうか。数学に興味があって、就職のため、みんなが行くから、なんとなく…様々だと思います。僕は、論理的思考力をつけたくて数学を学び始め、今もそれは変わっていません。　さて、大学で学ぶ数学の中身ですが、大学の数学は高校までの数学とは全く異なります。高校まではある程度の証明はやっているものの、そのほとんどが暗記した公式の利用に終始していたと思います。しかし、大学では、数学を行う上で基礎となる論理式・証明の読み方と書き方から学びます。高校までとは求められる能力がかなり違うため、最初はそのギャップに戸惑い苦労しました。ですが、徐々に理解できる部分が増えてきて、数学の持つ深みや面白さを感じることができました。また、1年次には化学・物理・地学などの数学以外の理系科目も学びます。今自分の学んでいる数学がこれらの科目でどう使われているかを知ったことは、非常に有意義な経験でした。　大学生活の4年間は長いようで実際はすごく短いです。その貴重な4年間、ぜひ数学類で数学を学んでみませんか。　数学が得意だと思う瞬間は私にはありませんでした。幼い頃から絵やものづくりが好きで、勉強は嫌い、数学もよく分かりませんでした。ただ分からないからこそ憧れのようなものが絶えずありました。それだけで決めた進路も、当初は受験前から「卒業論文なんて書ける気がしない」と行き過ぎた心配をしたものです。　高校数学も得意でなかったぶん、大学での数学にギャップは感じませんでした。ただ日常言語は減ったように思います。この図形は輪が1つ、頂点が3つ、といった特徴が数学の言葉で表現されるのです。それは日常の言葉よりも様々な解釈の可能性を秘めて佇み、ときに創作的な装いで煌きます。そう感じて私は数学がより面白くなりました。しかし今でも自分は数学向きではないだろうと思っています。筑波で出会った頭の切れる先輩や友人たちの議論にはすぐに置いていかれます。それでも面倒見の良い先生方に支えられ、卒業研究をやり遂げることができました。そして今でも数学は憧れなので、大学院で学び続けています。　不得意はきっと不利にはなりません。もしも惹かれ続けるものがあるなら、皆さんも筑波大学で数学に触れてみてください。63