平成30年度 筑波大学入学案内
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世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)「人と違うことを恐れるな」̶。日本は従来から、他の人に合わせなければならないというプレッシャーが強く働きがちな社会ですが、たとえ人と違っても自分が選んだ道を信じて、いろいろなことに果敢に挑戦していってください。「よい問いを見つけることは、それを解くよりも難しい」̶。なにか問題を解決しようとするとき、最初によい問い(切り口)を設定することは大変難しく、そして極めて大切なことです。どの分野に進むにしても、この言葉をいつも心に留めておくとよいでしょう。これからの日本の将来を担う若い方へ機構長からのメッセージ睡眠の本質に迫る眠る仕組みを解明するオレキシン同様の働きを持つ小分子化合物を探す睡眠・覚醒に関わる未知の重要遺伝子の探索~フォワード・ジェネティクス~睡眠・覚醒メカニズムの観察・操作~オプトジェネティクス~睡眠障害治療の創薬~オレキシン受容体作動薬探索~1998年に柳沢らにより発見された睡眠と覚醒の切り替えを制御するペプチド。脳内の神経細胞によって作られる。オレキシンの欠乏はナルコレプシーという病気(睡眠障害)の原因となる。オレキシン睡眠とは何か? 私たちが人生の1/3を費やす睡眠は、生命維持に欠かすことのできない大切なものです。それにも関わらず、睡眠・覚醒とは何か、眠気はどういうしくみで起こるのか、そしてそもそもなぜ眠らなければならないのか、ということすら、実はほとんど分かっていません。 睡眠障害は、急増する生活習慣病(メタボリック症候群)やうつ病との関連性が高いとも言われています。今後高齢化社会・ストレス社会の中で、いかに良質な睡眠をとるか、どのように心の健康を維持していくかは社会的にも大きな関心事であり、その問題解決のために睡眠医科学分野の発展が強く求められています。 2012年12月、世界でも類を見ない睡眠の基礎研究を行う機関として発足した国際統合睡眠医科学研究機構では、睡眠医科学・神経科学・薬理学・創薬化学などの研究を行う世界トップレベルの研究者がつくばに集結し、新たな発見が次々となされています。私たちのプロジェクトによって睡眠・覚醒に関する原理が解明されれば、それらを応用して新しい治療法や診断法の開発に繋がると期待されます。機構長柳沢正史筑波大学大学院博士課程在籍時に血管収縮因子エンドセリンを、渡米後に睡眠覚醒を制御する脳物質オレキシンを発見。筑波大学・テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授。マウススクリーニング施設マウス脳の神経細胞活動創薬スクリーニング2015年に完成した新研究棟研究棟内部IIISの研究11http://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese5

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