筑波大学 2021年度 入試案内
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学長からのメッセージ 私たちが暮らす社会は、AIやIoTといったデジタルサイエンスの革新による大きな変化が起きている最中にあります。未来を生きる皆さんは、大学において、専門分野のみならず幅広い分野に触れ、新たな社会の方向性を切り拓く能力を身につけてほしいと思います。 筑波大学は、開学以来、多様な分野を見わたす力と確かな専門的知識に基づく学際的研究・教育を先導する人材の育成を行ってきました。その理念をさらに推し進め、2019年度から新たなリベラルアーツ教育を実施します。これは、総合科目、体育、外国語、情報、国語、芸術といった一般的な知の探究に加えて、「専門導入科目」として、自分の専門としたい分野に関する知識や技能のほか、様々な専門分野の基礎を学びます。つまり、学問分野を広く俯瞰しながら、自分が学ぼうとする専門分野の特徴を理解し、あわせて多様な学問分野の融合の可能性を考えるものです。中世ヨーロッパで文法・修辞・論理の3科に算術・幾何・天文・音楽の4科を合わせた自由7科として確立していたリベラルアーツを本学ではさらに深化させました。本学では1年次に各学類・専門学群が提示した専門分野の基礎を自由に選択し、学修します。 これに呼応して、2021年度入試(2020年度実施)から個別学力検査等(前期日程)に「総合選抜」を導入します。総合選抜は、学群・学類の枠を越えて、文系と理系の広い区分で学生を受け入れるものです。この選抜方式で入学した方々は1年次に総合学域群(仮称)に所属し、様々な興味と関心を持った仲間とともに学修し、将来を語り合い、自らの未来に思いを馳せながら、2年次以降の進路を主体的に決定します。カリキュラムや進路について、いつでも相談できるサポート体制も用意しています。この選抜方式を、受験時に学群・学類を決める「学類・専門学群選抜」とは別に、全体の約25%を募集人員として設定します(体育専門学群は除く)。 本学ではこれまでも学力の3要素の基礎である「知識・技能」に加えて、高度な「思考力・判断力・表現力」を求めてきており、かつ推薦入試などで「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(以下、主体性等)」を積極的に評価してきました。2021年度入試からは前期及び後期日程においてもこの「主体性等」の評価を取り入れます。「総合選抜」方式において調査書を活用するほか、「学類・専門学群選抜」方式及び後期日程においても各学類・専門学群によって方法は異なりますが「主体性等」について評価をします。 また、2021年度からの「大学入学共通テスト」において、英語4技能を評価するための英語認定試験の利用、国語・数学の記述式問題の導入が行われます。本学ではこれまでも高度な「思考力・判断力・表現力」を求めてきましたので、今回、前期日程・後期日程の各方式において英語認定試験及び記述式問題の結果の点数化を行い、合否判定に利用します。 これらの新たな入試と教育システムの構築は、皆さんが知性・人間性・逞しさにあふれ、主体的に将来を創造し、学修してくれることを期待しているからです。つくばでお会いしましょう。essagerom resident筑波大学長 永田恭介

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