筑波大学入学案内 2021
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 「障害科学類」は、障害を科学し、人間の本質を探究し、人類と社会に貢献する人材を育てる、わが国では他に類を見ないユニークな学類です。障害のある人々への具体的なサポート、その基盤となる基礎的な研究、そして人間の本質そのものを探究します。 障害科学類の歴史は、1951(昭和26)年に国内最初の障害児教育の教育研究機関として設置された東京教育大学教育学部特殊教育学科にさかのぼります。その遺産は、筑波大学では人間学類心身障害学主専攻に継承・発展され、2007(平成19)年度からは人間学群障害科学類として新たに発足しました。 障害科学類は、すべての障害を専門とする国内で最大の教員数を擁していますので、年齢では乳幼児期から高齢期まで、機能的には学校教育から障害福祉まで、教育学・心理学・病態生理学を融合した高度で先進的な総合科学を学ぶことができます。また、障害のある子どもをもつ親 の方々や学校の教員に対する相談やサポート、子どもに対する臨床的指導など、優れた社会的貢献も行っています。障害のある人たちへの具体的なサポート、その基盤となる基礎的な研究、人間の本質の探究に興味がある人には、魅力ある学類といえるでしょう。 乳児から高齢者までの感覚、運動、認知、言語などの機能の障害、健康や高齢・発達に関わる障害、障害をめぐる環境や社会・文化的課題に関する基礎的知識と支援方法を、教育・心理・福祉・医療などの領域から総合的に身に付け、共生社会の創造に貢献する、国際的に通用する能力をもつ人材を養成します。[ 人材養成目的 ]障害科学類障害科学類の特徴●学生の関心や目標に応じた3つの履修モデル●特別支援学校教員免許状では、5つの教育領域 (視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱) すべてに関する免許の取得が可能●社会福祉士国家試験受験資格の取得が可能●教職免許 特別支援学校/高校(福祉)/その他、小学校・中学校・高校の教科カリキュラムの特徴3つの履修モデルと取得可能資格 障害科学類では、学修の参考のためにいくつかの履修モデルを示しています。履修モデルは、その通りに授業をうけなければならないものではありません。ただし、資格と関係する履修モデルは、必要科目が過不足なく含まれていますので、モデルが基準になるでしょう。履修モデルを基に、学ぶ人の希望と意欲に沿った学修計画を立て、自主的に学ぶことになります。42主な授業科目専門基礎科目障害科学Ⅰ・Ⅱ、障害科学実践入門、障害科学セミナー、障害科学研究法入門、障害科学研究法実習、心理学概論、心理学統計法Ⅱ、教育基礎論、学校の経営・制度・社会、障害者教育基礎理論、障害原理論Ⅰ、障害者福祉論Ⅰ・Ⅱ、Current Topics in Disability Sciences など専門科目障害科学履修モデル視覚障害生理病理特講、聴覚障害生理病理特講、肢体不自由の生理病理、病弱者の生理病理、知的・発達障害生理病理特講、視覚障害と心理、聴覚障害と心理、言語障害と心理、運動障害と心理、知的・発達障害と心理 など特別支援教育学履修モデル視覚障害指導法、視覚障害自立活動、聴覚障害児の教育と指導法、聴覚障害自立活動特講、言語障害児の指導法、運動障害教育学、運動障害の指導法、知的障害自立活動指導法、知的障害学校教育論、特別支援教育実習 など社会福祉学履修モデル社会福祉原論、相談援助の基盤と専門職Ⅰ・Ⅱ、相談援助の理論と方法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、医学概論Ⅰ・Ⅱ、社会保障論Ⅰ・Ⅱ、児童福祉論、就労支援サービス論、権利擁護と成年後見制度、地域福祉の理論と方法Ⅰ・Ⅱ、ソーシャルワーク演習、ソーシャルワーク実習 など

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