筑波大学入学案内 2021
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地球学類長 角替 敏昭社会とのつながり 地球学類では、地学オリンピックやジオパーク設立に向けた活動に協力することで、学生が地球科学を通じて社会との接点を持つ機会を設けています。また、周辺の中高校生や住民と講演・見学会を通じて、地域交流も盛んに行っています。資格など 所定の単位をとれば、中学校教員免許(理科)、高等学校教員免許(理科、地歴)、学芸員資格を取得でき、またGIS(地理情報システム)学術士になれます。卒業後の進路 卒業生の6~7割が本学の生命環境科学研究科などの大学院に進学します。民間企業への就職も多く、卒業生の約3割を占めます。総合的な知識・思考力を身に付けた卒業生は、地理情報・気象・環境・地質等のコンサルタント、土木建設や資源開発、観光・交通、出版、金融、電気通信など多種多様の業種に進出しています。公務員や教員は1割程度です。 大学院に進学した学生は、修士課程でより高度な専門知識・技術を身につけて、民間企業・公的機関・教育機関等でより専門性の高い職につくか、博士課程に進学します。博士課程で、更に専門性に磨きをかけて博士の学位を取得し、大学教員、企業や公的機関の研究員になります。室内実験(X線回折による岩石鉱物の同定)Q&AQ 高等学校で地理や地学を履修していませんが、大丈夫ですか?A地理や地学を履修していなくても十分理解できるように、専門基礎科目では配慮されています。ただし、自主的な予習・復習は必要です。Q 主専攻や卒業研究分野は希望通り選べますか?A 主専攻は進級要件を満たしていれば希望通りになりますが、卒業研究分野は過度な集中が見られる場合に成績によって選抜することがあります。Q 在学中に海外留学したいのですが、その間は留年や休学になるのでしょうか?A協定校への留学でしたら、留学中に取得した単位を振り替えることができるので、留年しなくてもすみます。学類長からのメッセージ「地球学」とは、地球に関する現在の様々な自然現象や人間環境・生活、および地球の過去を探り未来を予測する研究の総称であり、地球科学を発展させた学問として体系的に扱っています。この学問分野は、高校では地学や地理学に最も近い分野になりますが、それらを高校で履修していなくても大丈夫なカリキュラムが地球学類では組まれています。地球学を学ぶためには、今まで知らなかった様々な情報や他の学問分野の知識が必要になります。地球学類では、これらの新しい知識、学問を含めて幅広く学ぶことができます。新しいこととの出会い、またそれらの探求は、大学における楽しみでもありまた自己向上心にも繋がると思います。地球学類において学び、研究する上で特徴的で基礎的な部分は野外での調査・観測です。これらの調査・観測で得られた情報・試料を基に、実験室で各種機器による分析・測定やコンピューター等を用いた解析を行います。これらを行うためには、知力だけでなく少々の体力(+忍耐力)も必要になるでしょう。各種観測・実験・統計処理等では、数学、物理学、化学、生物学などが、また国内外での調査・データ解析等では、英語、経済や歴史の知識なども必要になります。これらの幅広い分野の知識の習得は地球学を学び、研究する上で重要であり、これらの知識を得ることにより、扱えるテーマが広がり、より深い探究ができます。また、個別に得意分野のある場合にはそれを生かすことも可能です。地球学類は、これらを実践するための絶好の場所です。地球に興味があり、また意欲のある皆さんを歓迎いたします。56

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